2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K16278
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久米 克佳 徳島大学, 病院, 助教 (00723628)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ホエーペプチド / 高度侵襲 / 周術期患者 / 栄養管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
侵襲期の重症患者はエネルギー消費量が多く、タンパク異化が亢進していることが知られている。また、ホエーペプチドは、乳清ペプチドともいわれ、これまでの栄養剤のタンパク質の主成分と比較して、消化吸収能に優れているだけでなく、分岐鎖アミノ酸が多いこと、インクレチン分泌作用がありインスリン抵抗性の改善に有用であるなどの特徴が知られている。 そこで、侵襲の大きい手術患者を対象に、手術前、術後、術後1日目、3日目、7日目の筋肉量、タンパク異化状態、インスリン抵抗性、及び治療アウトカムを評価した。 侵襲の大きい手術患者として、心臓血管外科手術、脳外科手術、呼吸器外科手術の患者を選択し、術後の栄養状態を術前と比較検討した。患者の栄養評価、血液・生化学検査、尿検査など基礎的データ、筋力及び筋量の測定は栄養剤を開始する手術前日、術後、術後1日目、3日目、7日目に評価した。筋力は握力計を用い、筋量は筋量計を用いて各部位ごとに正確に測定した。血糖、インスリン、3-メチルヒスチジン、遊離脂肪酸、ケトン体、クレアチニンを測定。また、患者の基礎的情報:身長、体重、診断名、血液・生化学検査、術後入院日数、術後感染症合併率、入院中死亡率を記録し、各群のデータを比較解析した。このことで、特に心臓血管外科の開心術において栄養状態の悪化が著しいことが明らかになったため、今後は栄養剤としてホエーペプチドおよびカゼインペプチドを術後に使用し、その評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した「研究実施計画」通りに進捗していることから、おおむね順調と思われる。特に心臓血管外科の開心術において栄養状態の悪化が著しいことが明らかになったため、今後もこのペースで続けていく。
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Strategy for Future Research Activity |
経腸栄養管理患者において、手術当日または翌日の飲食許可後よりホエーペプチドベース栄養剤群とカゼインベース栄養剤群にランダムに分け、個々の患者に適切な投与量を算出して投与を開始する。 患者の栄養評価、血液・生化学検査、尿検査など基礎的データ、筋力及び筋量の測定は、術後1日目より1週間、ホエーペプチドあるいはカゼインペプチドをベースとした栄養剤を使用し、手術前、術後、術後1日目、3日目、7日目、14日目、(退院時)の筋肉量、タンパク異化状態、インスリン抵抗性、及び治療アウトカムを評価する。 これらの研究により、研究期間終了時には、ホエーペプチドをベースとする栄養管理が周術期患者において有効であることを明らかにできる。
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Research Products
(4 results)