2016 Fiscal Year Research-status Report
高知県産ショウガの腸管免疫機能活性化に関する基礎的研究
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16K16279
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
飯塚 美知郎 高知大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (60711299)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ショウガ / 腸管免疫 / パイエル板 / IgA |
Outline of Annual Research Achievements |
ショウガの腸管免疫機能活性化に関して、本年度は主に培養細胞を用いた検討を行った。まず、リポ多糖(LPS)で炎症を誘発したマウスマクロファージ由来RAW264.7細胞に対してショウガ抽出エキスを添加し、炎症マーカーの一つである一酸化窒素の産生抑制効果とその作用機序について検討を行った。その結果、ショウガ抽出エキスの添加により一酸化窒素の産生は抑制され、主要な炎症誘導因子であるNuclear Factor-kappa B(NF-κB)の核への濃縮は抑制され、これらの現象には転写因子の一つであるCyclic AMP Response Element Binding protein(CREB)の発現上昇が関与することを見出した。次に、マウスパイエル板の初代培養細胞を用いた検討を行った。パイエル板は腸の中でも小腸下部に特に多く存在し、腸管免疫において中心的な役割を担うことが知られている。BALB/cマウスからパイエル板を摘出し、免疫担当細胞を単離した後、96well dishに細胞を播種した。培地は10%FBS入りRPMI1640を使用した。培養3日後および7日後に培養上清を回収し、上清中の免疫グロブリンA(IgA)濃度をELISA法により測定した。IgAは腸管免疫において中心的な役割を果たす分子であり、腸管に入ってくる様々な病原体を排除し、腸管粘膜における感染防御に大きく貢献することが知られている。ショウガ抽出エキスの添加により培養上清中のIgA濃度は上昇する傾向がみられ、ショウガによる腸管免疫機能活性化が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
培養細胞を用いた実験において、当初予定していなかった抗炎症作用についての検討を追加して行った。 そのため、当初予定していたマウスへのショウガ投与実験が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後早急にマウスへのショウガ投与実験を行っていく。 また、マウスについては正常マウスのみならず、糖尿病モデルマウス等の病態モデルマウスについても検討し、ショウガによる免疫機能活性化をより効果的に評価できる系の構築を目指す。
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Causes of Carryover |
当初予定していた動物実験が遅れているために、余剰金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き、培養細胞実験および動物実験に必要な試薬・消耗品、さらには論文投稿等に使用していく計画である。 今後特に、動物実験によるメカニズムの解明に力を注いでいく予定である。
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Research Products
(1 results)