2018 Fiscal Year Annual Research Report
The impact of essential fatty acids on anxiety-related behaviors in mice
Project/Area Number |
16K16280
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
酒寄 信幸 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (30747457)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 多価不飽和脂肪酸 / 不安 |
Outline of Annual Research Achievements |
多価不飽和脂肪酸(PUFA)は主にn-6とn-3に分類されるが、多くの国々においてn-6 PUFAの摂取過多、n-3 PUFAの摂取不足が問題視されている。本年度においては、マウスのn-6 PUFA高含有/n-3 PUFA低含有(高n-6/低n-3)飼料摂取が不安行動を増加させる機序を、神経伝達物質の一つであるドパミンとドパミン作動性ニューロンの発生過程に着目して解析した。 マウスにコントロール飼料または高n-6/低n-3飼料を投与し、成体に達した後、中脳腹側被蓋野におけるドパミン作動性ニューロンの投射先である側坐核における細胞外ドパミン濃度を、マイクロダイアリシス法および高速液体クロマトグラフィーにより定量した。細胞外ドパミン濃度は高n-6/低n-3飼料投与群において増加しており、高n-6/低n-3飼料投与群における不安行動の増加はドパミン放出量の増加によって生じた可能性が考えられた。 次にドパミンの過剰放出につながる原因を明らかにするため、ドパミン作動性ニューロンの発生過程に着目した。まずドパミン作動性ニューロンの産生が時空間的にどのような制御を受けているかを明らかにするため、分化したニューロンを5-エチニル-2'-デオキシウリジン(EdU)により標識し、その「誕生日」を明らかにするEdU birthdating解析を実施した。ここでは胎生10-14日目においてコントロール飼料を投与した妊娠マウスにEdUを腹腔注射し、生後7日目の仔の中脳腹側被蓋野におけるドパミン作動性ニューロンを組織学的に評価した。不安行動に関与することが報告されている中脳腹側被蓋野paranigral nucleusにおけるドパミン作動性ニューロンは胎生11-13日にかけて生み出され、特に胎生12日において最も多く産生されることが分かった。本解析により胎生11-13日胚を用いた詳細な解析を実施する発生学的根拠を得た。
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Research Products
(8 results)