2018 Fiscal Year Annual Research Report
Specific immunomodulatory factors of the probiotics in C. elegans
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16K16282
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
小村 智美 奈良女子大学, 生活環境科学系, 助教 (10736515)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 線虫 / 長寿 / ビフィズス菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、食品の生理調節機能が世界的に注目され、そのひとつとしてプロバイオティクス(宿主に有益な保健効果を示す微生物)が挙げられる。1907年、ノーベル賞受賞者のメチニコフはヨーグルトに含まれる乳酸菌が長寿を導くとする「不老長寿説」を提唱し、線虫モデルを用いてその長寿効果をin vivoで初めて実証された(Ikeda et al., Appl. Environ. Microbiol., 2007; 73: 6404-9)。そこで広義の乳酸菌に含まれプロバイオティクスとして利用されているビフィズス菌について線虫の寿命や老化指標に与える影響を検証し、体内の酸化物質の蓄積や運動機能の低下が抑制されることを見出した。その過程で、ビフィズス菌を与えた線虫のマイクロアレイを実施したところ、遺伝子Xの顕著な発現上昇が認められた。そこで遺伝子Xを手掛かりにして、ビフィズス菌の長寿効果に寄与する遺伝子の探索を試みることとし、平成29年度はビフィズス菌のランダム変異株の作製方法を確立させた。そこで平成30年度は、変異株と遺伝子Xのトランスジェニック線虫を用いて、遺伝子Xの誘導に関わる変異株を探索をすることを目的としていたが、その過程で遺伝子Xはビフィズス菌特異的な反応ではないことが判明した。そこでビフィズス菌に反応する他の遺伝子を探索し、その候補遺伝子12種類を見つけ出した。今後は、本遺伝子にGFPを融合させたトランスジェニック線虫を作製し、発現に寄与する菌体成分の同定を目指す。
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