2018 Fiscal Year Research-status Report
地域住民の心身の健康に対して時間栄養学が果たす役割に関する横断・追跡研究
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16K16289
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
吉崎 貴大 東洋大学, 食環境科学部, 准教授 (50732830)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 食事時刻 / 睡眠時刻 / 睡眠中間時刻 / フレイル / 朝型夜型指向性 / 食事摂取量 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域住民における起床、就寝時刻と食事時刻、およびフレイルとの関連を検討した。対象は地域で開催された健康教室に参加した359名(52‐95歳)とした。参加者には性別、年齢、身長、体重、喫煙および飲酒習慣、現病歴や既往歴といった一般特性や、睡眠時刻、睡眠潜時および食事時刻、さらにはフレイルに関する自記式質問票への回答を依頼し、回収時には調査員が聞き取りを行った。起床および就寝時刻からは睡眠中間時刻および睡眠時間を算出した。フレイルの指標として、要介護状態になりやすい者をスクリーニングする尺度として開発された15項目の介護予防チェックリストを使用し、ネガティブな回答に対して1点を付与し、合計得点が4点以上の者をフレイルと定義した。その結果、対象者の平均起床時刻、就寝時刻、睡眠中間時刻、および睡眠時間はそれぞれ6時00分、22時17分、2時9分および7時間43分であった。解析対象者のうち、フレイルと判定された者は31名(10.3%)であった。睡眠中間時刻が早い者ほど、朝食、昼食および夕食時刻が早かった。また、睡眠中間時刻が早い者ほど、起床から朝食までの時間が長く、夕食から寝るまでの時間が短かった。一方、睡眠中間時刻が早い者ほど睡眠時間が長いものの、寝入るまでの時間を示す睡眠潜時が有意に高値を示した。さらに、また、睡眠中間時刻が中央値よりも早い者(13.9%)では、中央値よりも遅い者(6.7%)に比べてフレイルに該当する者の割合が高値を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の計画はこれまでに取得したデータ解析や次年度の追跡調査に向けた準備であった。若年層や中高齢層での解析結果は投稿準備を進め、次年度の追跡調査に向けては役場との連携体制を確認している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画の通り追跡調査データの整備を継続して実施する。また、該当地域における中高齢者層のデータが不足した場合には、食事や睡眠の時間的要因のデータを含む他の既存のデータベースの活用を検討していく。また、若年層で得られた腕時計型のアクティグラフ、加速度歩数計、心拍変動および小型の温度ロガーのデータ処理も進め、週末と平日との睡眠-覚醒リズムの位相差と食生活との関連を明らかにし、英文誌に投稿する予定である。
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