2016 Fiscal Year Research-status Report
発酵食品の機能性に寄与するアミノ酸代謝物の網羅的解析と機能性食品開発への応用
Project/Area Number |
16K16298
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Research Institution | Hagoromo International University |
Principal Investigator |
稲垣 秀一郎 羽衣国際大学, 人間生活学部, 講師 (20575774)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 発酵食品 / アミノ酸代謝物 / 米麹 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、発酵食品の健康機能の機構をアミノ酸代謝物に着目して解明することを目指している。また、新規米発酵食材の開発も同時に進めていく予定である。 平成28年度は本研究初年度のため、予備的な研究としてAb. corymbiferaおよびMu. circinelloidesを用いた米発酵物の調製とその成分調査を行い、また、抗酸化活性の再現性を確認した。その結果、Ab. corymbiferaの還元糖量は3mg/g-凍結乾燥物量、Mu. circinelloidesは0.2 mg/g-凍結乾燥物量であった。また、アミノ酸含量に関しては、Ab. corymbiferaが9.7 mg/g-凍結乾燥物量、Mu. circinelloidesは8 .3mg/g-凍結乾燥物量であった。ポリフェノール含量に関しては、Ab. corymbifearは5.2 mg/g-凍結乾燥物量、Mu. cillcinelloidesは9.25 mg/g-凍結乾燥物量であり、これまでの結果をおおよそ再現した。抗酸化活性は両発酵物の酢酸エチル抽出物を用いて、DPPHラジカル消去活性測定法により行い、Ab. corymbiferaのEC50は10.2mg/ml、Mu. circinelloidesのEC50は9.4mg/mlであり、おおよそ再現した。また、28年度はAb. corymbiferaおよびMu. circinelloidesを用いて米麹の試作を行うための準備を行った。来年度には米麹の試作を行い、甘酒等の食品開発に利用できるかの適正試験を行っていき、その製品の成分および機能性解析も実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、米発酵物のアミの酸代謝物の網羅的解析を始める予定であったが、28年度には行うことができなかったため、少し遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度以降には、米発酵物のアミノ酸代謝物の網羅的解析をダンシルクロライド法を用いて行う。また、発酵物の機能性評価を行い、アミノ酸代謝物と機能性との関連を調査する。また、新規米発酵食品の開発に向け、Ab. corymbiferaおよびMu. circinelloidesを用いた新規米麹製造の最適条件の検討やそれによる機能性の変化についての詳細を調査する。
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Causes of Carryover |
次年度に実施する必要のある実験が発生したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アミノ酸代謝物の網羅的解析のためのダンシルクロライド試薬の購入のために使用する。
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