要介護者への口腔ケアを修得させる介護マネキンと実習プログラムの開発・活用・評価

2017 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 16K16316
• Research Institution: Tokyo Medical and Dental University
• Principal Investigator: 大塚 紘未 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (70599266)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: 教材開発 / マネキン / 動画教材 / 口腔ケア / 実習

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、要介護者の口腔内および全身を再現した介護マネキンを用いて、要介護者への口腔ケアの技能を修得するための実習プログラムを開発することを目的としている。
平成28年度は、介護マネキン実習の導入に向けた準備として、以前に試験的に実施した介護マネキンを使用した実習にて得られた学生と教員からの評価を元にして、本マネキンを用いた要介護者への口腔ケアの手技を学ぶための動画教材を作製した。平成29年度は、以下の研究を実施した。
1.動画教材の改良：実習の実施対象者の決定後、作製した要介護者への口腔ケアの手技を学ぶための動画教材について、対象者の学年や学習状況に合わせて若干の内容修正を行った。
2.実習プログラムの実施：介護マネキンを用いて作製した動画教材を使用した実習プログラムを立案し、実習を実施した。当初の予定では、動画教材を視聴した後に介護マネキンを用いて実習する計画を考えていたが、学生に患者役を経験させ、口腔ケアを受ける側の体験をさせることを目的に加えたことから、動画教材視聴後に学生同士で相互実習を実施する形に計画変更して実施した。
3.動画教材および実習プログラムの評価：本実習プログラムでは、動画教材視聴前にプレテスト、動画教材の視聴と実習の終了後にポストテストを実施し、動画教材および実習プログラムに関する評価を得た。多くの学生より、動画教材からは要介護者の口腔ケアの手技に関して多くの理解が得られたこと、さらに相互実習を通してより具体的な方法や注意点を体験的に学べたことなど、高い評価が得られた。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成28年度に作製した動画教材を用いて、介護者への口腔ケアの技能を修得するための実習プログラムを立案し、歯科衛生士養成機関2年生の学生30名を対象に実習プログラムを実施した。また、実習の前後にプレテスト、ポストテストを実施し、動画教材および実習プログラムに関する評価を得ることができた。

Strategy for Future Research Activity

1.実習プログラムの評価の分析：平成29年度に実施した実習プログラムの中で得られたプレテスト、ポストテストの結果から、本実習プログラムによる学生の理解度を分析し、実習プログラムの効果を検討する。さらに、学生からの意見等も詳細に分析し、動画教材にて理解できたこと、その後の相互実習で理解、修得できたこと、また理解が不十分であったこと等について抽出した上で、これらの評価を総合し、実習プログラムの学習効果を評価する。さらに、関連学会にて成果を報告する。
2.動画教材の改良開発：作製した動画教材について、視聴した学生からの評価結果をもとに必要な改良点をリストアップし、修正を行う。また、追加で必要な動画教材についてもリストアップし、必要な資材を購入の上、追加作成を行う。
3.実習プログラムの修正：平成29年度に実施した実習プログラムについて、学生からの評価結果をもとに必要なプログラムの修正を行う。特に、平成29年度の実施時には介護マネキンを使用した実習プログラムでなく、相互実習をプログラム内に組んでいたが、双方の実習を取り入れたプログラムの必要性についても再度検討する。

Causes of Carryover

平成29年度は、当初予定していた研究内容と若干の変更が生じ、一部の内容を翌年度以降に実施するよう計画を変更した。それに伴い当該年度の必要物品にも変更が生じ、翌年度以降に使用することが適切と考えたため。

使用計画：平成30年度分の予算と合わせ、計画している研究の遂行に必要な物品購入等に使用する。