2016 Fiscal Year Research-status Report
防災啓発拠点施設における有効性向上のためのICTを活用した減災学習デザイン手法
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16K16317
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
倉田 和己 名古屋大学, 減災連携研究センター, 寄附研究部門助教 (50579604)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 屋内測位技術 / 防災啓発 / 教育施設 / ビッグデータ / システム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年急速に発達している屋内測位技術は,従来のGPSを用いた屋外の測位技術とシームレスに統合し,個人の詳細な位置情報を把握するためのものである。具体的には,微弱な電波を発するbeaconを屋内に設置し,その電波を端末で受信することで,自身の位置を把握する仕組みである。 実験フィールドには、名古屋大学東山キャンパスに位置する「減災館」を用いた。減災館の1階2階は公開展示施設となっており,開館以来2年3ヶ月で来館者は3万人に到達するなど,大学の公開施設としては異例な利用状況にある。設置したセンサーは通常beacon22個,近接beacon29個で,受信端末にはスマートフォンのNexus5を7台用いた。機材の都合上,beacon設置範囲は最も来館者密度の高くなる,1階ギャラリースペースとした。 減災館の利用状況として,13時30分~14時の間に「ギャラリートーク」なる日替わりのミニ講演会が実施され,この前後で最も来館者の密度が高くなる。従って,以降ではギャラリートーク前後の時間帯に着目する。ある一日の来館者密度を時間積分したヒートマップからは,ギャラリートーク前後とも注目されやすい模型教材類に来館者が集中しているが,ギャラリートーク後にはじっくり観察する視聴覚系の教材や,時間限定で公開する大型振動台等にも来館者が集まっている事がわかった。また個別の来館者に注目した場合の見学ルートと滞在時間のデータから,センサーで得られた結果は目視による実際の行動と比較しても概ね一致しているが,極めて近接したエリアでは上手く区別できないケースが有った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、精緻なセンシング環境を構築することを主眼に、減災館に常設型のBluetooth Beacon発信機を設置した。具体的には、近接型ビーコン29台、指向性ビーコン22台を導入し、天井裏等に設置することが出来た。これは、おおむね当初予定通りの内容であるが、現地での電波状況などを確認しつつ取り進めた結果、近接型ビーコンを4台当初よりも多く導入することとなった。その結果、良好なセンシング環境を整備することが出来た。 また、センサーから得られたデータを可視化する仕組みについても、プロトタイプ版によって表示が可能であることが確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、センシング環境が整ったため、次年度は実際に多数のデータを収集する。その際、分析において明確にする指標(類型化や定量化の具体的な手法)を検討しつつ、より効率的なデータ蓄積方法を検討する。そのため、同分野における最新技術動向や研究事例を収集するために、学会や技術発表会に積極的に参加する。 さらに、収集したデータにより明らかにする減災啓発施設の利用実態を元に、その改善方法についても提案を行う。具体的には、非接触ICカードを用いた、施設ガイドシステムを、他研究プロジェクトとも連携しながら開発する予定である。これにより、任意の減災学習シナリオに基づいて来館者を誘導するとともに、その学習効果を定量的に評価することが可能になると考えている。
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Causes of Carryover |
機器類の年度当初見積額と、現地環境や価格変動を含めた実際の購入金額に若干の差が有ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度、非接触ICカードを用いた館内ガイドシステムを導入する際、ICカード等の消耗品の購入数をふやすことで、より適切にデータを取得する。
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Research Products
(2 results)