2016 Fiscal Year Research-status Report
全国学力・学習状況調査結果と思考スキルの活用能力の関係の検討
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16K16320
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
泰山 裕 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 講師 (90748899)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 思考力育成 / 思考スキル / 汎用的能力 / 授業設計 / カリキュラムマネジメント / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は汎用的技能としての思考スキルの活用能力と学力学習状況調査結果の関連を明らかにすることを目的としている。 本研究は思考スキルの活用能力の育成を前提としているため、平成28年度は思考スキルの活用能力の評価とその指導体制について研究を進めた。 研究によって、思考スキルの枠組みでの授業設計を行うことで、児童・生徒に求める「考える」を具体化することが授業設計が可能になることと、そのための授業設計手順を明らかにした。思考スキルの枠組みによる授業設計によって、「時間の確保」,「情報の追加・変更」,「発問・支援の変更」,「まとめ方の変更」というような授業設計の変更が行われ、より児童の思考力育成に焦点化した授業設計が可能になることが明らかにした。 また同時にそのような思考スキルを育成する場面がどの教科のどのタイミングで出てくるのかについて教科書分析によって明らかにした。各教科の教科書会社が提供している年間指導計画作成資料を対象に「比較する」思考スキルが指導される学習場面を教科ごとに抽出を行なった結果、思考スキルの育成場面については教科によって異なり、それを意図的に関連づけたカリキュラムマネジメント必要性が明らかになった。 さらに、思考スキルの活用能力を評価するための方法を検討した。思考スキルを補助するためのシンキングツールとそれをもとにした作文を同時に評価することで、教科の知識、思考スキル、思考スキルの活用能力を個別に評価することが可能になることを明らかにした。 本年度の研究によって評価方法と思考スキル育成を目指した授業設計の手順やカリキュラムが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は評価方法と授業設計方法を整理することができ、明らかになった評価方法によって全児童の思考スキルの評価も実施することができた。思考スキルの活用能力の評価方法が明らかになったことで、その能力と学力学習状況調査結果の関連を明らかにすることが可能になった。 同時に思考スキルの育成のための授業設計に関する研究知見によって新たに協力校を見つけ、広げていくことが可能になった。 思考スキルに関する記述が次期学習指導要領の中にも散見され、本研究に興味を持つ学校現場が広がる可能性が高いため、実践指導に赴く学校に研究協力を依頼し、より多様なデータを収集することで思考スキルの活用能力と学力学習状況調査結果の関連を詳細に分析していくことが可能になる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は実際に学力調査結果と思考スキルの活用能力の関連の分析を進めていく。 学力調査結果は取り扱いに注意を要するデータであるため、それぞれの学校現場の状況に合わせたデータ分析を進めていくことで、より多様なデータを収集し、研究成果をまとめていきたいと考えている。 具体的にはこれまで思考スキル指導を進めてきた学校、これから思考スキル指導を進める学校などのように複数の状況を想定し、それぞれの実態に合わせたデータ収集と結果の還元を進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
今年度は思考スキル活用能力の評価方法の検討に注力したこともあり、論文投稿をすることができなかったため、論文投稿にかかる費用と印刷にかかる費用の使用がなかったため。 また、授業研究講師としての出張とともに打ち合わせを行ったため、打ち合わせ旅費を節約することができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は当初計画よりも多くの研究協力校を募るための打ち合わせ旅費や集めたデータの分析や論文投稿にかかる費用として使用する。
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