2017 Fiscal Year Research-status Report
全国学力・学習状況調査結果と思考スキルの活用能力の関係の検討
Project/Area Number |
16K16320
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
泰山 裕 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 講師 (90748899)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 思考スキル / 思考力育成 / 資質・能力 / 学力調査 / 情報活用能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は学力と関係する資質・能力を明らかにし、それらと学力学習状況調査結果との関連を明らかにすることである。今年度は学力と関係する資質・能力としての思考スキルとその評価方法について明らかにした。思考スキルとは学習指導要領において「考えるための技法」として示されており、思考力育成のキーワードの一つである。 今年度は、新学習指導要領の公表を受け、その中で求められる思考スキルの種類とその段階を検討した。新学習指導要領の文言を分析することで、思考スキルの種類とその系統性を明らかにした。思考スキルの種類では、現行学習指導要領の分析から得られた思考スキルを元に、新学習指導要領を分析した結果、17種類の思考スキルがあることが明らかになった。さらに、それぞれの思考スキルについて、小学校低学年・中学年・高学年、中学校という段階を明らかにすることができた。 さらに、その評価方法について検討した。思考スキル指導を実施している公立小学校を対象に思考スキルの評価を実施し、その結果を参考に、思考スキル指導を実施していない学校においても評価できるような方法を検討し、記述式とアンケートの2種類を開発した。記述式については、「比較する、分類する」などの項目についてそれぞれの実行の結果を記述してもらうことで、思考スキルを評価した。アンケート形式では、批判的思考尺度や情報活用の実践力尺度などを参考に、思考スキルの実施傾向について選択して貰う形式による評価アンケートを作成した。 それぞれの評価方法について、実際に公立小学校などを対象に実施し、その妥当性についても検討を進めた。今後はそれらの評価結果と学力調査結果との対応について検討を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である、資質能力の検討とその評価方法の整理が完了している。 今年度、その評価結果と学力調査結果との対応を分析するためのデータ収集が完了しており、分析を残すのみである。 研究は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでの研究成果を元に、具体的な分析とその成果のまとめを進めていく。
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Causes of Carryover |
今年度は大量データの処理を必要とするデータを収集することが難しかった。人件費やその他の項目の支出が少なかったため、次年度以降、データ処理や論文投稿などを予定しており、そのための費用として使用する。
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