2016 Fiscal Year Research-status Report
SNS等連携でLMSでの情報共有を加速し学習を活性化するシステムの設計と開発
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16K16323
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
長岡 千香子 熊本大学, 大学院社会文化科学研究科, 特定事業研究員 (90749839)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 情報共有 / ソーシャルメディア / 講習 / システム開発 / オープンソース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,学習者の主体的な情報発信・共有を支援し,そのプロセスで主体的な学びの姿勢の習得を支援するために,一般的によく使われる情報ツールであるSNS(Facebookやtwitterなど),電子メール,Evernoteを入力インターフェースとして利用し,個々の学習者が入力した情報をLearning Management System(以下,LMS)であるMoodleのコース上に自動的に集約・共有した上で情報の検索が行えるシステム「SharedPanel」を設計・開発することを目的としたものである. 平成28年度は,「本システムと連携させるツールの選定」および「プロトタイプの開発」を行った.「本システムと連携させるツールの選定」については,高等教育機関におけるSNS活用に関する先行文献の調査およびアンケート調査の結果, 情報を入力するためのツールとしてFacebookとTwitter,電子メール,Evernoteに加え,LINEとInstagramも必要であることが明らかになった.調査で明らかになったことを踏まえ,本システムのプロトタイプに対してツールの連携を行った.また,本システムを実践で試用する際,システムへ情報を直接入力する機能および共有された情報に対する投票・集計機能を追加した. 開発したプロトタイプは平成29年度に公開する予定であったが,早い段階でプロトタイプを公開し,他の教育機関でも教育実践で活用してもらい,その実践からのフォードバックを元に改善を行うことにしたため,Github(誰でもアクセスできるソース置き場)で公開した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の計画として,「本システムと連携させるツールの選定」および「プロトタイプの開発」をあげていた.どちらも完了しており,「プロトタイプの開発」については,当初から予定していたツールとの連携部分以外にも,実践で試用する際に必要となった機能(例:共有された情報に対する投票・集計機能 )の追加などを行った.また,開発したプロトタイプについて実際に社会人向けに開催された講習などで試用し,形成的評価まで行うことができた.開発したプロトタイプについては,Github(誰でもアクセスできるソース置き場)で公開することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の研究計画として,ID(インストラクショナルデザイン)に基づいて授業をデザインし,一般教養科目などで本システムのプロトタイプを利用することを予定している.平成28年度もプロトタイプを実際に社会人向けに開催された講習などで試用したが,実践はIDに基づいてデザインされたものではなく,プロトタイプの利用もあくまで動作検証のレベルにとどまっていた.そのため,平成29年度は「フィールドワーク中に参加者が使いやすいツールを用いて写真やメモなどを入力・共有し,教室などで一覧で確認するためにSharedPanel利用する」や「講義やゼミのテーマと関連するニュースなどリソースを,学生が日常生活の中でよく利用するツールで授業内外で,入力・共有させる」といったシステムの利用方法を想定した実践をIDに基づいてデザインし,本システムを利用・改善を行う.
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Causes of Carryover |
当初の予定では平成28年度に人件費・謝金を利用して開発補助者を雇用し,プロトタイプの開発を進めてもらう予定であったが,開発補助者を雇用できず,その分の予算を繰り越すことになった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在開発されているシステムはあくまでプロトタイプの段階であり,今後,開発補助者による開発が必要となる.そのため,繰り越した人件費・謝金を用いて開発を進める.
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