2016 Fiscal Year Research-status Report
演習状況を把握し任意の状態からやり直しができるシステムの開発と評価
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16K16324
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
森田 直樹 東海大学, 情報通信学部, 准教授 (50413571)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 操作課程取得 / 講師支援 / 学習過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,パソコンやタブレットを用いて授業を行う講師を支援することであり,具体的には、次の3点である。(1)受講者の操作ミスや間違いのきっかけとなった操作を即時に確認できるようにする(2)操作ミスなどの操作を受講者と共に振り返ることができるようにする(3)操作ミスの前の状態に受講者のパソコンの状態を戻しやり直しができるようにする 本年度は,上記目的の(1)に着手をし,計画通りに遂行できた。着手するにあたりあげられ課題とその解決方法を述べる。 1点目:従来のシステムでは,ある特定のソフトウエアの操作しか操作の課程を取得できなかった問題点に関して:本研究で開発したシステムは,キーボードやマウス操作と画面の遷移を関連し記録することで,すべてのソフトウエアの操作課程を蓄積するようにした。その際,画面の変更点を講師が確認しやすくなるように,画面の変更する箇所をハイライトした画像をキャプチャ画面群に挿入した。 2点目:キーボード操作やマウス操作の度に操作の履歴を残すと履歴が多くなりすぎて振り返りが困難となった問題点に関して:プログラミングや文章作成中など,1回の操作あたりの画面の変更点が少ない場合には,操作の履歴を取得しないようにした。これにより,ログの蓄積量が従来の1/5程度に削減することができた。 3点目:大量の操作ログの中から振り返りに必要な箇所を探しにくかった問題点に関して:ある操作をひとまとまりのものとし,それらごとに講師が振り返られるようにした。これにより,該当の操作を探すまでの時間を短縮することができた。 実際の授業にて用い,有効性の検証をおこなった。その研究成果について,国際会議eLmL2017にてMethod for Identification of Computer Operations Performed by a Studentと題して研究成果を発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しており,計画通りに研究に着手していきたい
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は,パソコンやタブレットを用いて授業を行う講師を支援することであり,具体的には、受講者の操作ミスを即時に発見できるようにし,操作ミスの直前の状態にパソコンの状態を戻すことである。 受講者に質問され、操作ミスやつまずきのきっかけを発見したばあい、その直前の状態にパソコンの状態を戻すことができれば、効率良く演習を行うことができる。これらに関しては、パソコン上(ホストOS)で擬似的なパソコン(ゲストOS)を利用する仮想化技術を用いる。これは、ホストOSにてゲストOSのスナップショット(パソコンの状態)を保存しておけば、ホストOSにて復元したいスナップショットを選択するだけでゲストOSのパソコンの状態を戻すことができる。この技術を演習やり直しに利用する為には、3つの課題を解決する必要がある。(1)演習を行うゲストOSとその制御を行うホストOSの両OSを使いこなす必要があり、演習以外の操作を必要とるすこと(2)スナップショットの作成、復元に時間がかかり演習の操作が中断してしまうこと(3)スナップショットを作成しないと、復元することができないこと これらの問題点を解決するために、ゲストOSからホストOSの仮想化を制御するモジュールを開発する。そのモジュールは、28年度に開発をした操作履歴取得のモジュールと連携をすることにより、ある操作ごとにスナップショットを自動で小単位で保存することにより、演習の操作を中断することなく復元可能状態を準備することを目指す。また、操作ミスの直前のスナップショットをゲストOSからの制御で復元できるようにすることを目指す。これにより受講者は、通常の演習を行うだけで任意の演習の状態に戻ることができる。 これらのアイデアを実装し,有効性の検証を行い,その研究成果を学会を通じて公開することを目標とする。
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