2016 Fiscal Year Research-status Report
問題解決工程を学習するためのe-Learningシステムの開発
| Project/Area Number |
16K16325
|
|---|
| Research Institution | Tokyo University of Science |
|---|
Principal Investigator |
高橋 徹 東京理科大学, 工学部第二部経営工学科, 助教 (60610863)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
| Keywords | 問題解決学習 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は問題解決e-Learningシステム開発を目指すものである．そのために28年度は問題解決工程においてどのようなつまずきがあるのかを分析することによって，システムにどのような要素を組み込めばよいかの検討を行った．
結果として以下のつまずきが見られることが分かった：1-1）目標が明確でない；1-2）現状を誤解している；1-3）目標が解決策の実施になっている；2-1）対象となる問題を分析していない；2-2）問題の深堀ができていない；3-1）問題と解決策に対応関係が成り立っていない部分がある；3-2）問題の分析と矛盾した解決策を立ててしまう．
また，イシューツリーを使った分析の工程においては以下のつまずきがあることが明らかになった：1．要素が整理されておらずMECEになっていない可能性がある；２．子ノードが解決策になってしまっている；３．子ノードが分類や原因になっていない；４．子ノードが問題の大枠を超えてしまっている；５．発見された問題と解決策が対応していない部分がある；６．発見された問題と解決策が矛盾している部分がある．また，そのうえで引き続き以下のつまずきが確認された：７．問題と解決策に対応関係が成り立っていない部分がある；８．問題の分析と矛盾した解決策を立ててしまう．
さらに問題解決e-Learningシステムの開発に向けて，効果的な学習方法を検討するために，問題解決学習を学ぶためのチュートリアル型PBLの開発と評価を行った．結果として目標を構造的に整理するカードソート法や，問題を深堀するなぜなぜ分析，問題と解決策の対応関係を考える問題―解決策マトリックスが効果的であることが分かった．
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はe-Learningシステムを開発するうえで重要なつまずきの分析を行った．結果として開発において重要なポイントと考えられるものを明らかにすることができた．これにより来年度以降の開発の指針を立てることができた．また，チュートリアル型PBLの実施とその結果により，再来年度に開発予定であるe-Learningシステムである問題解決チュートリアルの開発の指針も立てることができた．
これらの成果は，発表は行っているものの論文化には遅れている．ただし，現行は完成しつつあるので近日中には投稿が可能な状態になる予定である．
|
| Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は問題解決e-Learningシステムの問題解決シミュレーションを開発する予定である．これはあらかじめ用意された「目標」，「現状」，「問題」，「解決策」，「評価方法」を組み合わせて問題解決を行った場合に，どうなるかをシミュレーション結果として提示するシステムである．これらのシミュレーション結果としてどうなるかは平成28年度のつまずきをもとに設定する予定である．
この問題解決シミュレーションはタブレット用のソフトウェアとして開発する予定であり，学習者が気軽に次学習が行えるようにする．
|
| Causes of Carryover |
e-Learningシステムの実装環境の検討に時間がかかってしまったため，必要機材をそろえるのに時間がかかってしまった．
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
e-Learningシステムの実装環境は決定したので必要機材を早々に購入する予定である．
|
