2016 Fiscal Year Research-status Report
事例ベースに基づく学習者の潜在要因分析と個別教育支援システムの開発
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16K16326
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| Research Institution | Nihon University |
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Principal Investigator |
東 るみ子 日本大学, 商学部, 准教授 (80550102)
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2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | テキストマイニング / 学習分析 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
1. 学習行動と関連がある潜在因子の分析調査
過去の生徒情報から現在の生徒と類似性の高いデータを抽出する際、どのような指標をもって類似性が高いと言えばよいのかという問題が生じる。この問題を解決する為には、学力や学習行動に影響を及ぼす因子を見つけ出すことが重要となる。そこで平成28年度は、学生が毎講義時に書いたリアクションペーパーをテキストマイニングで分析し、成績に影響を及ぼす要因を探った。本研究では、リアクションペーパーによる振り返りがしっかり行えている学生ほど真の理解度が高いのではないかという仮説をたて、文章（講義13回分）に含まれている専門用語の出現割合と成績の相関分析を行った。その結果、弱いながらも有意な正の相関がみられた（r=0.33, p<.001）。また、専門用語の出現割合と小テストの平均に関しても、弱い相関がみられた（r=0.34, p<.001）。またリアクションペーパー以外にも、毎講義時の学生自身の主観的理解度（5段階評価）、予備知識（5段階評価）、小テストの点数なども合わせて、相関や重回帰分析を行い、関連の強い因子の分析を行った。この成果に関しては、学会で報告を行った。
2．確率的潜在意味解析（PLSA：Probabilistic Latent Semantic Analysis）を使った潜在要因の抽出
潜在因子の抽出作業では、リアクションペーパーが学生の成績と相関が強いということが明らかとなったため、PLSAを用いた分析までは、当該年度には行わなかった。今後は、様々な視点から最も成績に影響を及ぼす要因や因子を決定する必要がある為、文章の内容の分類などを行い、様々な手法での比較検討が必要となる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の研究計画であった「学習行動と関連がある潜在因子の分析調査」に関しては、学生の学習記録にあたる振り返りシートを用い、その選択項目および文章について分析をし、成績に影響を及ぼす要因などをいくつか探ることができたため、当該年度の研究は、おおむね順調に進んでいると言える。しかし、要因の探索に関しては、まだ全てが終了はしていないが、本研究では潜在因子を見つけることが大きな課題でもあり、時間がかかることは想定済みであったため、当該年度の進捗状況としては、問題なく進んでいると考えている。
また現在、学生の発話に相当するリアクションペーパーを学習行動の一部と位置づけ、様々な視点から分類しており、平成29年度の中盤までには潜在因子の分析が終了する見通しを立てている。またのその結果については、学会等で報告をする予定である。
その後は、類似度の評価方法の検討および意思決定モデルの構築に取り掛かる予定である。
以上の理由により、平成28年度はおおむね順調に進展していると評価する。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究成果をふまえ、当該年度では終えることができなかった潜在因子の分析に関して、テキストマイニングで定量化したデータを様々な視点からコード化し、強く学習に影響を及ぼす要因を明らかにする。さらに、当初の平成29年度研究計画である下記の内容を進めていく。
「潜在因子に基づく類似度評価方法の開発」
要因分析の結果から得られた情報を基に、類似度関数を定義する。コサイン類似度をはじめ、既存の様々な類似度評価法を分類し、本研究で用いるデータに適した手法を検討する。意思決定問題の研究者の方々からの意見も伺いながら、類似度評価法や意思決定アルゴリズムの開発研究を進めていく。
「CBDTをベースとした教育支援型意思決定モデルの構築」
提案した類似度評価法を用いて、事例ベースに基づく教育支援型意思決定モデルの構築を行う。CBDTの数学的制約のもと、顕在要因と潜在要因における類似度評価の結果から総合評価を算出する為の効用関数を検討する。現時点では、過去の生徒の成績を効用とすることを考えている。効用値と類似度数の両方を結果として提示することで、効用値の高い最良の事例と、効用値は高くないが類似性の高い事例の双方の観点から教員が情報を共有することが可能になると考えている。
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| Causes of Carryover |
当該年度では当初、意思決定問題の分野でもあるオペレーションズ・リサーチや教育工学関連の国際会議などに出席する予定であったが、他研究や業務の都合上、参加することができなかったため、出張旅費の予算執行ができませんでした。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、当該年度の分も合わせて、国際会議への参加を予定しておりますので、その旅費として研究を使用する予定です。また、データ分析に係る、データクリーニングや分類作業を外部に委託する予定をしております。その他、本研究のデータ収集依頼や手法に関する打ち合わせ等で、琉球大学の方と打ち合わせを予定しておりますので、その旅費が必要になります。また、成果を国内の学会で発表する予定ですので、その分の出張旅費を考えております。
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