2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K16327
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
渡邉 文枝 早稲田大学, 大学総合研究センター, 助手 (50749075)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MOOC / JMOOC / eラーニング / eラーニング指向性 / 相互評価 / 信頼性 / 妥当性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,学習者同士によるオンライン相互評価の教育効果を高めるための評価方法を設計・開発することである.本年度(2016年度)は,相互評価を導入したeラーニングコースの基礎的検討および相互評価の信頼性と妥当性の検討を行い,その成果を発表することに注力した.主な成果は以下のとおりである. (1)「大規模オンライン講座におけるeラーニング指向性の項目間の因果関係の検討」が日本教育工学会論文誌に採録された.本論文では,eラーニング指向性質問紙短縮版を作成し,その信頼性と妥当性を検討するとともに,学習者のeラーニング指向性の変化とeラーニング指向性の項目間の因果関係を検討した.調査対象はJMOOCの講座における学習者,調査時期は最初の単元の受講開始前と最後の単元の受講終了時であった.分析の結果,eラーニング指向性質問紙短縮版は1因子構造であり,一定の信頼性と因子的妥当性が確認された.また,eラーニング受講経験の有無によるeラーニング指向性の変化を検討した結果,eラーニング未経験者は,eラーニングの講座を修了することにより,eラーニング指向性が向上する可能性が示唆された.eラーニング指向性の項目間の因果関係においては,交差遅延効果モデルによる分析の結果,「孤独」が重要な要因になっていることが示唆された. (2)JMOOCの講座における相互評価の信頼性と妥当性について検討した.相互評価の信頼性については,級内相関係数を用いて評価者間信頼性を分析した.その結果,評価者数3人と4人の平均測定値から,評価者間信頼性は適度にあることが示された.相互評価の妥当性については,相互評価と専門家評価との相関分析を行った.その結果,有意な中程度以上の正の相関がみられ,相互評価には妥当性がある可能性が示唆された.なお,本成果は,日本教育工学会全国大会と日本教育工学会研究会にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オンライン相互評価における「評価者評価」に関するデータ収集および分析については次年度に実施することになったが,それ以外の点については,おおむね計画通りに進行している.そのため,進捗についての問題はないと判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(2017年度)は,引き続き,データ収集および分析を行う.その成果については,随時研究会等で発表する.また,研究計画に支障がないように努める.
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Causes of Carryover |
予定していたPC等の購入を次年度に繰り越したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度に予定していたPC等の購入に充てる.
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