2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K16327
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
渡邉 文枝 早稲田大学, データ科学センター, 講師(任期付) (50749075)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 自己評価 / 相互評価 / レポート改善 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,学習者同士によるオンライン相互評価の教育効果を高めるための評価方法を設計・開発することである.昨年度に引き続き,設計・開発の精度を高めるための基礎的研究を行い,その成果を発表することに注力した.主な成果は以下のとおりである. レポート作成後に,ルーブリックをもとに自己評価および学生同士の相互評価を行い,評価の原因を検討したあとに改善を行う,といった授業展開が学生のレポート改善にどのような影響を与えるのかについて検討した.授業は次の流れで行った.(1)教育学に関する文献を読む,(2)その内容を参考に自らの教育観についてのレポートを作成する,(3)作成したレポートについて,教員作成のルーブリックをもとに自己評価および学生同士の相互評価を行う,(4)自己評価および相互評価の結果について,「改善の重要性が高い/低い」「改善に時間がかかる/かからない」の軸を記した座標軸で分析し,そのような評価になった原因を考える,(5)座標軸による分析結果をもとにレポートを修正する,(6)修正したレポートをもとにプレゼンテーションを行うための資料を作成し,発表を行う.なお,教育学に関する文献は2冊用意し,(1)から(6)の流れを2回繰り返した.学生が作成したレポートを分析した結果,ルーブリックに準じたレポートに改善できていることが示された.また,アンケートの結果からは「自己評価を行うことで自身のレポートを客観的・批判的に見ることができた」,「相互評価を行うことで新しい視点が得られた」,「座標軸を用いることで修正箇所の優先順位をつけることができた」,「プレゼンテーションを行うことで考えの幅が広がった」などのコメントがみられた.これらのことから,本研究で検証した授業展開は学生のレポート改善に効果的である可能性が示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
育児休業の取得に伴い,研究計画が約1年間分遅れている.
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度も本研究で得られた成果を取りまとめ,論文の執筆や学会等での発表を行う予定である.
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症を考慮し,学会発表や情報収集,研究打合せなどはオンラインで実施することが多く,旅費を使用することがなかった.
|