2016 Fiscal Year Research-status Report
自動車修理板金塗装のための熟練者のコツを抽出した教育システムの構築
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16K16329
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
高井 由佳 大阪産業大学, デザイン工学部, 講師 (90626368)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自動車修理 / 板金 / 塗装 / 熟練技術者 / 匠 / メタリック塗料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自動車板金・塗装の高度な作業における熟練技術者の技の可視化・数値化を行い、非熟練技術者がより短い期間で技の習得を行うための教育システムの構築を目的としている。 メタリック調塗料を用いた塗装について、熟練技術者5名および非熟練技術者5名の作業における、3次元動作、眼球運動、スプレーガンを握る手の把持力の測定実験を実施した。実験から得られたそれぞれのデータは解析を進めている。眼球運動測定結果からは、熟練技術者はこれからスプレーを行う場所に視線があることが分かった。 さらに、プレスライン上に作製した凹みの板金修理について、熟練技術者5名および非熟練技術者5名の作業における、3次元動作、ドリーとハンマーを握る手の把持力の測定実験を実施した。これまでの実験では、ドリーを握る腕の動きの測定ができていなかったが、業界団体および技術者からドリーを握る腕の動きを知りたいという要望が多かったため、板金対象物のあらゆる方向からの動きが測定できるように実験を実施した。同時に、高速度カメラを使用して、ハンマーでの打刻の瞬間を撮影した。実験から得られたそれぞれのデータは解析を進めている。高速度カメラの映像からは、熟練技術者は手首を固定して押し出すようにハンマーを動かし打刻を行っていることが見て取れた。このため、板金対象物の振動が小さかった。一方、非熟練技術者は手首を振ってハンマーを動かし打刻を行っていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画とは実験の順番が異なっているが、2つの実験を実施でき多くのデータが得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
自動車修理における測定実験で得られたデータの解析を進めていく。同時に、修理品の仕上がり度合を各種測定機器を使用し数値化していく。
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Causes of Carryover |
前倒し申請を行ったところ、請求額が10万円単位であったため、予定していた使用額には十分すぎた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験が順調に進んだため、解析に注力して進める予定である。解析アルバイトの人件費に充当する。
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