2017 Fiscal Year Research-status Report
古生物タイプ標本のICタグ管理および3Dデータネットワーク構築の研究
Project/Area Number |
16K16346
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Research Institution | Tokushima Prefectural Museum |
Principal Investigator |
辻野 泰之 徳島県立博物館, 自然課, 学芸係長 (60372223)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 3Dデータ / データネットワーク / 古生物 / タイプ標本 / 白亜紀アンモナイト / 博物館 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、九州大学総合研究博物館、北海道大学総合博物館、むかわ町立穂別博物館、豊橋市自然史博物館、横須賀市自然・歴史博物館の5施設に収蔵されている白亜紀アンモナイトのタイプ標本(ホロタイプ)の収蔵状況の調査、およびホロタイプの写真撮影と3Dスキャニングを実施した。九州大学総合研究博物館では、36点の白亜紀アンモナイトのホロタイプの撮影および3Dスキャニングを行った。本施設の現地調査において、他機関(東京教育大学)の登録番号の付いたホロタイプを複数点発見した。北海道大学総合博物館では、5点の白亜紀アンモナイトのホロタイプの撮影および3Dスキャニングを行った。しかしながら、収蔵記録があるKossmaticeras theobaldianum paucicostatumのホロタイプ1点の発見はできなかった。むかわ町立穂別博物館で4点、また、横須賀市自然・歴史博物館で2点の白亜紀アンモナイトのホロタイプの撮影および3Dスキャニングを行った。豊橋市自然史博物館は、ホロタイプ1点(Yokoyamaoceras yokoii)を収蔵していることが記載論文から確認できるが、現地調査において、本標本の収蔵を確認することはできなかった。標本台帳や収蔵状況から判断すると、本標本が豊橋市自然史博物館に保管された形跡はなく、本種を記載した研究者が所属していた研究機関に保管されている可能性が高いと考えられる。今後、探索調査が必要と思われる。 以上の平成29年度の調査において、撮影した写真データすべては、ウェーブサイト(http://www.museum.tokushima-ec.ed.jp/tsujino/3d_typespecimen_renewal/index.html)に掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全国の大学や博物館等に収蔵されている日本産白亜紀アンモナイトのホロタイプのデジタル写真データの取得や公開については、概ね順調である。しかし、3Dデータの処理に時間がかかり、公開が遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
国内に収蔵されている白亜紀アンモナイトのホロタイプの約8割については、デジタル写真および3Dデータを取得できたと考えている。これまでの調査で、白亜紀アンモナイトのタイプ標本の3割以上を収蔵している九州大学総合研究博物館から他機関の登録番号のついたホロタイプが発見されている。今後の調査次第では、さらに他機関または、化石愛好家の番号がついたタイプ標本が発見される可能性もある。そのため、今後、九州大学総合研究博物館の研究者とより連携をとり、タイプ標本の探索を進めたいと考えている。また、明治期に記載された日本産の白亜紀アンモナイトの中には、タイプ標本(ホロタイプ)が海外(主にドイツ)の博物館に収蔵されているものもあり、これらについてもデジタル写真データおよび3Dデータの取得を進めたいと考えている。
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