2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on provenance study using quartz grain surface microtextures
Project/Area Number |
16K16351
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
板宮 裕実 科学警察研究所, 法科学第三部, 研究員 (40645488)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 石英粒子 / 円磨度 / 表面形態 / フラクタル次元 / 主成分分析 / レーザー共焦点顕微鏡 / 表面粗さ |
Outline of Annual Research Achievements |
堆積物中の石英粒子の表面には、粒子の運搬過程や堆積環境を反映した微細形態が残されている。本研究ではこの特徴を利用し、石英粒子の表面形態の解析を日本の土の後背地推定に利用するための研究を行った。(1) 海岸堆積物および河床堆積物について土試料を収集し、走査型電子顕微鏡で観察を行った。その結果、海岸堆積物の表面形態の多様性は、堆積物の供給源や母岩を反映している可能性が示唆された。本研究で採取した3河川の河床堆積物については、河川間で石英の形態的特徴は異なっていたが、1つの河川の上流域と下流域の試料では顕著な形状の変化は認められなかった。(2)電子顕微鏡で撮影した画像の解析により、粒子の円磨度Rおよびフラクタル次元FDを算出した。2種類の形状パラメータを用いることで、石英粒子の形状を客観的に評価することが出来た。(3)粒子の表面形態、特に後背地の推定に有用な指標であるV字衝突痕について、共焦点レーザー顕微鏡を用いて三次元形状を測定する手法を新しく開発した。この手法に基づき、海岸堆積物の粒子表面を測定したところ、堆積環境によって衝突痕の密度や深さが異なる可能性が示された。 以上の結果から、日本においても土の堆積環境や供給源の違いにより、石英の表面形態に多様性が確認され、後背地の推定に有用であることが示された。また、表面形態の1つであるV字衝突痕の三次元形状測定法は、本研究で新たに開発した手法であり、海岸や河川の堆積物について、水中での堆積環境の解明に寄与できると考えられる。
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Research Products
(2 results)