2016 Fiscal Year Research-status Report
不確実性に対して頑健な船舶スケジューリングを実現するための最適化手法の研究
Project/Area Number |
16K16357
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田中 未来 東京理科大学, 理工学部経営工学科, 助教 (40737053)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 最適化 / スケジューリング / アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 複数の船舶を保有する船会社が天候などの不確実性の下で複数の輸送依頼を効率よく処理するための方法について考える. 具体的には, このような船舶スケジューリング問題を最適化問題として定式化し, 実用的に優れた解を現実的な時間で計算するアルゴリズムを設計することを目指す. 平成 28 年度は情報が確定的な場合について問題のモデル化とアルゴリズムの設計を行なった. 問題のモデル化では, 港での荷の積み下ろしとその時点での荷の状態を頂点とするネットワーク (積載状態拡大ネットワーク) を構築し, 考えている問題をネットワーク上の最適化問題として定式化した. アルゴリズムの設計では列生成法に基づくアルゴリズムについて検討した. このアルゴリズムの内部では目的関数が非線形な制約付き最短路問題を繰り返し解くことになることがわかった. そのため, 目的関数が非線形な制約付き最短路問題を繰り返し解くアルゴリズムに関する研究を行なった. この結果を日本オペレーションズ・リサーチ学会 2016 年秋季研究発表会および国際会議 The Fifth International Conference on Continuous Optimization で発表した. さらに, 論文としてまとめ, 英文論文誌 International Transactions in Operational Research に投稿し, 採録された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進捗に関する問題は特にない.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成 29 年度は, 平成 28 年度に設計したアルゴリズムの実装および高速化やそのために必要な問題の性質の解明を行なう. アルゴリズムの内部では制約付き最短路問題などの混合整数計画問題を繰り返し解くことが予想される. それらを既存の最適化ソフトウェアを用いて解くことでアルゴリズム全体の高速化を目指す. 加えて, 計算機実験を実施し, どのくらいの規模の問題例に対するどのくらいの精度の近似解がどのくらいの計算時間で計算できるかを明らかにする. また, 実際のスケジューリングの参考になる情報や知見を得るために, 得られた近似解を図示するなどしてその性質を調べる. 以上の研究成果を論文としてまとめ, Operations Research や Transportation Science などの一流国際誌に投稿する.
|
Causes of Carryover |
計算を間違えたため.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
最適化に関連する書籍を購入する.
|