2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis on freight mode choice for international bulk cargo shipping
Project/Area Number |
16K16358
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川崎 智也 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (30705702)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バルク貨物 / コンテナ化 / 同時方程式モデル / 輸送手段選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本~ASEANの海上輸送を対象として,従来コンテナ船により輸送されていないバルク貨物に着目し,同時方程式モデルを用いて輸送手段選択の要因分析を実施した.分析の結果,以下①~⑧の考察が得られた.①海上輸送量のコンテナ化率への影響は,コンテナ化率が中程度の品目でプラス,低い品目ではマイナス,コンテナ化率の高い品目では,海上輸送量増がコンテナ化率上昇につながっていないこと,②相対運賃のコンテナ化率への影響は,コンテナ化が進んでいない品目を除きマイナスであること,③輸入国側のコンテナ港湾整備は,コンテナ化率の低い品目でコンテナ化率を上げる可能性があるが,ばら積み輸送設備が同時に整備されるため,コンテナ化率の高い品目でコンテナ化率を下げる可能性もあること,④コンテナ化率の低い品目を中心に輸出国側の輸出費用引き下げはコンテナ輸送を促す可能性があること,⑤輸入国側の輸入費用引き下げもコンテナ輸送を促す可能性があること,⑥運賃負担力の高い品目がコンテナ輸送される傾向にあること,⑦一部バルク貨物のコンテナ化はインバランス解消の有用な手段となりうること,⑧一部バルク貨物ではコンテナ化がインバランスの解消方向に進まずこれら品目でコンテナ化をどう進めるかが課題であること,である. コンテナ化率の低い品目のコンテナ輸送を促す観点からは,港湾インフラや陸上インフラの整備に加え,港湾に輸送費用と陸揚げ以降の費用,通関手続など輸出入手続費用の削減も重要になることが示された.インバランス解消の観点からもこれらの施策は重要である.ただし,具体的施策の検討は今後の課題である.また,本研究課題では近海航路でのバルク貨物コンテナ化を分析したが,海運会社・荷主双方にとって重要な基幹航路のバルク貨物コンテナ化についても検討が必要である.これらは今後の課題である.
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Research Products
(2 results)