2018 Fiscal Year Research-status Report
Applying developed fragility functions for the Global Tsunami Model (GTM)
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16K16371
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
サッパシー アナワット 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (00648371)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 津波 / 建物被害 / 被害予測 / リスク評価 / 東日本大震災 |
Outline of Annual Research Achievements |
2004年インド洋津波や2011年東日本大震災の被害データより、幾つかの種類の津波被害関数が構築された。但し、被害関数は地域性(津波外力、地形等)からの影響が高く、そのまま構築された被害関数を別の地域へ適用することの精度は不明である。また、全ての現地調査・数値解析による被害関数は最大浸水深を用いて構築されたものである。しかし、実際に建物が全壊・流失するのは最大浸水深ではなく、流速の方が効いてくると、様々な先行研究から知られているが、まだ確かめた研究がなかった。平成28年度から建築設計基準をレビューし、平成29年度に引き続き、実際に津波による建物被害を受けたことが無かった地域へ適用するため、新しい手法として津波数値解析より得られる外力(流体力)、漂流物による力、設計上の建物の耐震力(せん断応力)を考慮し、一棟毎に適用し、流失もしくは転倒による被害が発生するかの判断基準とした。平成29年度までは流失による被害だけを検討した。2011年東北地方太平洋沖地震津波・石巻市を対象した結果、建物がスライドの被害パターンだけではなく、転倒による被害パターンを考慮しないと地域全体の被害が再現出来なかった。研究対象地域ではスライドだけで約60%、転倒も含めると90%以上の良い被害再現結果が得られた。得られた結果は学術論文としてまとめて、Natural Hazards and Earth System Sciencesと言う災害研究分野において有名な雑誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スライド及び転倒による被害パターンの計算が完了し、新しい建物被害予測として、良い精度の再現結果が得られた。論文としてまとめて、投稿中であるが、国際学会への発表及び意見交換までの機会は30年度まで間に合わなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今度の国際会議にて本被害予測手法を海外研究者に提案し、海外地域を選択し、適用性について、更には被害が起こらない又は拡大させないこと等を議論・意見交換する。
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Causes of Carryover |
当初は30年度の後半に国際会議にて研究成果発表及び海外研究者との意見交換をする予定だったが、9月と12月にそれぞれスラウェシ島津波及びスンダ海峡津波が発生し、それらの緊急対応に伴い、国際学会参加することが出来なかった為、31年度に国際学会へ参加する予定である。
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Research Products
(8 results)