2018 Fiscal Year Annual Research Report
TSUNAMI MITIGATION EFFECT BY COASTAL EMBANKMENT AND COASTAL FOREST WITH LOCAL SCOURING
Project/Area Number |
16K16373
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
飯村 耕介 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 助教 (30642128)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 津波 / 減災 / 多重防護 / 海岸林 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,最大級の津波に対する津波減災対策について,防潮堤および海岸林によって構成される多重防護が防潮堤を越流する津波流れについて,1.構造物周辺の流況の詳細を明らかにし,対策構造物の流勢緩和による浸食メカニズムの変化を移動床実験により明らかにする.2.防潮堤裏法尻部の侵食を低減し,粘り強く耐えることができる効果的な多重防護の配置方法を明らかにすることを目的としている. 平成30年度までは防潮堤と海岸林による多重防護を対象とした水理模型実験により,背後地の減勢効果が高くなる多重防護の配置方法や,多重防護下における防潮堤裏法尻での洗堀について明らかにした. 平成30年度は,防潮堤と海岸林による多重防護を対象とした水理模型実験および数値解析により,第1波によって防潮堤裏法尻に生じた洗掘孔や,防潮堤と海岸林の間に配置された堀状の構造物が背後の海岸林や津波減災効果に与える影響について明らかにした.洗掘孔による波の減勢によるせき止め効果を確認した一方で,その背後にある海岸林は水位上昇の影響を受け作用力が増加し,破断等の樹木破壊の危険性が増すことが分かった.また簡易な数値モデルによる解析の再現性と,背後地における洗掘孔が持つ津波減勢効果について,本研究では津波遅延時間に着目して明らかにした.本研究で対象とした範囲では洗掘孔による津波遅延時間は20秒程度であり,海岸林を100 m配置した場合に相当することが分かった.しかし,洗掘孔内の水位の初期状態や大きさによっては,洗掘孔内におけるエネルギー減衰を評価する必要があり,今後の検討が必要である.
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