2016 Fiscal Year Research-status Report
VMS法を用いた気液固連成による雪崩被害予測手法の開発
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16K16377
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高瀬 慎介 東北大学, 工学研究科, 助教 (00748808)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 雪崩解析 / 非ニュートン流体解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,気液二相モデルを用いた雪崩解析手法の構築を行った.具体的には,雪崩と空気の自由界面は,Euler的手法の1つであるVOF(Volume of Fluid)法を用いて表現する.なお,雪崩の流動挙動は,既往の研究成果により,せん断速度に依存し粘性が変化するBingham流体モデルで近似できることが知られているため,雪崩部分にBingham流体モデルを導入し,雪崩の流動をモデル化する.なお,解析手法として, 3次元非構造格子に基づく安定化有限要素法を適用し,プログラム開発を行った.また,今後の大規模問題に適用するため,領域分割法に基づく並列計算手法を本プログラムに適用して,中規模の並列計算機システムにおいて解析を行い,その並列性能についてもテストを行った. 本年度に得られた主な実績は,以下のとおりである.1.開発したプログラムの妥当性の検討のため,既存の雪崩の室内実験を模擬し,その実験値と比較,また,実際に起こった雪崩の再現計算を行い,それぞれ定量的に良い一致を示した. また,実地形の解析において,並列化性能も測定し,良好な結果が得られた.2.Variational Multiscale method(VMS)を導入したプログラム開発を行った,開発したプログラムを用いて,Navier-Stokes方程式に対する基本的なベンチマーク問題へ適用し,精度検証を行い,良い結果が得られた.今後の課題として,雪崩による構造物に作用する力の評価検討,雪崩の流動挙動のためのBingham流体モデルを用いた気液二相モデルへVMSを適用し,精度検証を行うことが今後の課題である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度においては,Bingham流体モデルを用いた気液二相モデルの開発,および,Variational Multiscale methodの開発を予定しており,当初の計画案どおりに順調に研究は進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究案どおりに研究が進んでおり,今後も引き続き当初の計画案に基づいて研究を進めていく.今後は,FEM-DEMによる破壊を考慮した連成解析へと本手法の拡張を行い,実験値との比較による精度検証を行う予定である.
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Research Products
(4 results)