2016 Fiscal Year Research-status Report
ベイズ的アプローチによる高齢社会のための生体信号処理研究
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16K16392
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
鏑木 崇史 青山学院大学, 理工学部, 助教 (10468861)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 無拘束生体情報 / マイクロ波ドップラーセンサ / 不安尺度推定 / サポートベクターマシン / 動的時間伸縮法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は計画通り「実験室環境での情報抽出アルゴリズム構築」を目標に研究を推進してきた。なかでも基本アルゴリズムの構築を中心に実施した。 無拘束生体情報抽出においては、マイクロ波ドップラーセンサから得られる情報は線形の運動モデルを通して計測しているものと考え、カルマンフィルタを用いて状態推定を行うことで測定精度が改善できることを確認した。具体的には、計測対象者が在室か不在かを高精度で判別するサポートベクターマシン(SVM)を用いたアルゴリズム、室内での転倒を検知する動的時間伸縮法(DTW)を用いたアルゴリズムを提案、実装を行った。さらには、無拘束で計測できるデバイスをマイクロ波ドップラーセンサ以外にも拡張した。具体的にはベッドに設置するセラミック高感度圧力センサや空気圧を利用する高感度気圧センサを用いる手法も実装し、計測対象の拡張を行った。新規デバイスでは、掻破行動の自動抽出、血圧推定などの手法への応用が期待でき、現在までに初期的な成果が得られている。 不安尺度推定については、先行研究では計測箇所が2箇所だったものを多次元化した。まずは多次元化したすべての組み合わせについてについて検討を行い、多次元の血流量情報を同時に利用する基本アルゴリズムを構築・実装を行った。その結果、同時に使用する提案手法がより正確に不安尺度を推定できることを確認した。 上記の成果はそれぞれ査読有り論文、国際会議および国内会議にて報告を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は全体としてはおおむね計画通りに研究を遂行できている。 無拘束生体情報抽出においては、当時想定していたマイクロ波ドップラーセンサ以外にも拡張することができ、計画以上に進行している。 一方、不安尺度推定については、データの取得に想定より時間がかかり、当初の計画より若干ではあるが遅れて進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は計画通りノンパラメトリックベイズモデルの適用を中心に研究を進める。 無拘束生体情報抽出においては、計測対象が広がったことに対応し、それぞれの対象に適したモデルを提案する。 一方、不安尺度推定については、平成28年度に実施できなかった正則化付線形回帰式ならびにロジスティック回帰式による不安尺度推定アルゴリズムを構築する。その上で、無限中間素子数ニューラルネットワークモデルを用いた手法を提案する。
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Causes of Carryover |
平成28年度では高負荷な計算を要するアルゴリズムを実装しなかったため、手持ちの計算機資源で研究を遂行できた。平成29年度には実施が遅れてた不安尺度に対する高負荷なアルゴリズムを実施する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画で購入する予定であった高性能計算機と自動並列コンパイラを購入する。
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