2019 Fiscal Year Research-status Report
ベイズ的アプローチによる高齢社会のための生体信号処理研究
Project/Area Number |
16K16392
|
Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
鏑木 崇史 国際基督教大学, 教養学部, 特任講師 (10468861)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 高齢社会デザイン / マイクロ波ドップラーセンサ / 自己符号化器 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は平成30年度までに作成した情報抽出アルゴリズムの高度化を中心に研究を推進した。 無拘束生体情報抽出においては、マイクロ波ドップラーセンサから得られる情報から転倒を判別する手法について、多層自己符号化器を用いることでより高精度に判定できる可能性を見出し、検証した。これらの技術を活用して、車内に取り残された人の有無を判定するアルゴリズムを提案し、検証を行った。 また、睡眠時無呼吸症候群は高齢者にも多く、その潜在的な患者は人口の2%程度いると推定されている。このことから、本研究では睡眠中の呼吸活動を非拘束的に観察するシステムの開発を継続している。今年度は無拘束睡眠時無呼吸状態検出において、フィルタバンクによる最適周波数帯抽出アルゴリズム、多層自己符号化器による機械学習的圧縮アルゴリズム、さらには肺胸郭体積の変動をモデル化して粒子フィルタで推定する手法を提案し、検証を行った。これらの手法は、高精度離床検出システム、ウルトラディアンリズムを考慮に入れた睡眠中の血圧推定法、睡眠中の心音無拘束計測法、脈波の歪み特性による非侵襲血糖値推定手法など高齢者に多い課題にも応用した。 尿意の早期検出手法に対する研究としては、原尿の再吸収を考慮に入れた数理モデル構築および予測手法の提案を行った。さらには分光器を用いて体内の水分量を推定し、畜尿量の推定精度を向上できる可能性が示唆された 一方、脳血流量から記憶状態を推定する課題においては、想起が言語によるものなのか、非言語によるものなのかを判別する手法をより高時間分解能で実施できることを検証した。さらに、室内の色環境が被験者に与える悪影響を排除して被験者が実施しているタスクを高精度に判別するアルゴリズムを提案した。 上記の成果はそれぞれ査読有り論文、国際会議、国内会議にて報告を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度は実環境でデータを取得に向けて研究を推進してきた。昨年度懸念していたIoTデバイス開発は遅れながらも準備が整った。しかしながら、実環境への導入に遅れが生じ、年度末は新型コロナウィルス感染拡大の影響も受け導入に遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は新型コロナウィルス感染症の状況をにらみながら実環境でのデータ計測を急ぐとともに、報告が遅れている研究成果について国際・国内会議で報告を行う。
|
Causes of Carryover |
年度末に予定していた出張が新型コロナウィルス感染拡大の影響でキャンセルとなったため、次年度に成果報告を行う。
|
Research Products
(20 results)