2018 Fiscal Year Annual Research Report
Supermolecule-mediated growth factor-immobilized surfaces for regulating cellular functions
Project/Area Number |
16K16399
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
有坂 慶紀 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (70590115)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超分子 / 成長因子 / ポリロタキサン |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに環状分子であるα-シクロデキストリンと線状高分子であるポリエチレングリコールとからなるポリロタキサンを被膜した表面(ポリロタキサン表面)において、ポリロタキサン骨格に由来する表面分子可動性によって接着細胞の形態や分化などが調節できることを報告している。そこで本研究課題では、ヘパリン結合性成長因子を導入したポリロタキサン表面を作製し、成長因子シグナルの亢進と表面分子可動性によるメカノシグナル伝達調節の両方によって細胞機能を制御することを目的としている。平成30年度は、分子可動性の異なる硫酸化ポリロタキサン表面に上皮細胞成長因子様成長因子(HB-EGF)を導入し、肝臓由来細胞の機能維持を試みた。肝臓由来細胞を硫酸化ポリロタキサン表面上で培養したところ、表面の分子可動性の違いによってメカノセンサである転写共役因子YAPの細胞内局在が変化することを明らかにした。これはポリロタキサンの分子可動性がメカニカルキューとして機能することを示唆している。またYAPの細胞質局在を促す分子可動性の高いポリロタキサン表面上では、肝臓細胞特異的な遺伝子発現が亢進された。さらに肝臓細胞の生存や機能維持に関与するHB-EGFを分子可動性の高いポリロタキサン表面上に導入することによって、アルブミンタンパク質の産生が飛躍的に亢進することを明かにした。これらの結果は、ポリロタキサンの分子可動性の調節と表面導入した成長因子が相乗的に肝臓細胞機能維持に働いたことを示唆している。
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Research Products
(12 results)