2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel polymeric-nanoparticles of benzoxaborole-based drugs for pneumonia treatment
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16K16402
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小土橋 陽平 静岡理工科大学, 理工学部, 講師 (60723179)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 機能性高分子 / ドラッグデリバリーシステム / バイオマテリアル / ナノゲル / benzoxaborole / ベンゾキサボロール |
Outline of Annual Research Achievements |
近年ホウ素を含有した5員環の低分子化合物であるbenzoxaborole誘導体に、抗炎症性を含め様々な薬効があるとして注目されている。しかしながら、薬物であるbenzoxaborole誘導体をいかにして目的部位に送達させるかといった報告は皆無であった。申請者は、ドラッグデリバリーシステムに基づいたbenzoxaborole誘導体専用の高分子ナノ粒子の開発を目指す(平成28年度~平成30年度)。 最終年度である平成30年度は、benzoxaborole誘導体を内包可能な高分子ゲルおよびナノ粒子を調製および物理化学的な特性や抗菌性について評価した。ゲルやナノ粒子の相互作用は、ジオール基を有するポリマーとbenzoxaborole基の可逆的な共有結合に基づくことが明らかとなった。内包したbenzoxaborole系モデル薬物は、pHによりその放出量を制御することが可能であった。このpH応答性は、肺炎患部における低pHを想定している(in preparation)。 また微生物への抗菌性を向上させる為に、カチオン性高分子を導入し、フィルム化およびナノ粒子化することにも成功した。抗菌性は、高分子の構造により影響を受けることが明らかとなり、グラム陽性および陰性菌、真菌に対し効果を発揮した。また薬剤耐性菌のひとつであるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対しても抗菌性を示すことが明らかとなった(Polymers, 10, 947, 2018; Polymer in press)。 以上の結果より、本研究の目的である肺炎の原因微生物の増殖を抑制する為の新規な高分子ナノ材料の開発に成功した。
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Research Products
(12 results)