2016 Fiscal Year Research-status Report
超音波治療における生体の3次元変動追従型治療領域検出システムの開発
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16K16404
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高木 亮 東北大学, 工学研究科, 助教 (20771885)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 1.5D-アレイプローブの最適化 / 非線形音場シミュレーション解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、超音波治療の新規で革新的な3次元超音波イメージングを可能にする小型1.5-dimensional(1.5-D)アレイプローブ、および3次元イメージングのための新規アルゴリズムの研究開発である。平成28年度は、新規の3次元イメージングのための1.5-Dアレイプローブの形状・超音波パラメータの最適化を行った。 従来の1-dimensional(1-D)アレイプローブでは、追従不可能はスライス方向(超音波照射方向に対して垂直な方向)に関して提案する1.5-Dアレイプローブでも追従できるような、形状・素子配置・超音波周波数の探索を行った。超音波シミュレーション・生体変形有限要素解析等を行うことで、従来の超音波プローブの約3倍のスライス方向の変位追従を可能にする1.5-Dアレイプローブの超音波・形状パラメータを決定し、その最適化法に関して体系的に整理した。素子数の限られた1.5-Dアレイプローブでのスライス方向の変位追従検討および最適パラメータを体系的に整理した結果は、世界で初めての成果であり、本検討により、本プローブの超音波治療の超音波3-Dモニタリングへの適用可能性を明らかにしただけでなく、今後、研究が広く進められていくであろう2-Dアレイプローブの最適化への知見を得ることができ、社会的意義も大きい。平成28年度の成果は、1.5-Dアレイプローブを用いた超音波治療モニタリングへの挑戦的な課題への解決の第1歩となるアレイプローブの最適化に関する重要な知見と、それを体系化したことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、3次元イメージングのための超音波シミュレーションを精力的に行い、その結果を解析することで、超音波治療モニタリングのための新規1.5Dアレイプローブに関する、周波数・形状・素子配置等の最適化を行うことができた。当初28年度に計画していた仕様検討を終了できたことから、おおむね順調に進展していると言える。また、生体組織変形に関する有限要素解析にも取り組んでおり、3次元の組織変動追従のための新規アルゴリズム開発にも着手していることから、ほぼ計画通りに研究を遂行していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度までの超音波シミュレーション結果および1.5Dアレイプローブの最適化結果を元に、プローブの試作と評価を行う予定である。そのプローブを使い、実際の超音波治療時を模擬した実験系を形成し、治療モニタリングへの適用有効性を検討していく予定である。沸騰気泡・キャビテーション気泡等が治療中に生じた際に3次元変位追従が困難になる可能性があるが、その際の対応策・新規技術なども同時に研究開発していく予定である。 また、生体組織変形に関する有限要素シミュレーションをさらに進めることにより、生体中にキャビテーション・沸騰気泡が生じた場合の特異な変形を解析する。その解析結果を元に、平行移動と線形変換を組み合わせたアフィン変換等のアルゴリズムと画像補間技術を適用して、より複雑な変形が生じた場合にも動きが追従できるアルゴリズムを開発する。
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Causes of Carryover |
平成28年度中に、研究機関の異動が急遽決定し、移動先機関において本研究に必要な超音波信号取得装置がなかったため、予算を次年度に使用する計画を策定した。本研究を遂行するためには必須な設備であり、28年度分の予算使用分を急遽、次年度に割り当てることにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
移動先機関において、本研究を遂行するにあたり必要な超音波信号取得装置および、消耗品に使用する予定である。移動先機関では、本研究遂行に必要な装置およびインフラが揃っておらず、研究立ち上げ費用として、有効に活用する予定である。
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Research Products
(11 results)