2016 Fiscal Year Research-status Report
レドックスモレキュラーイメージングによる非侵襲的NASH画像診断法の開発
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16K16409
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中田 亮輔 九州大学, 大学病院, 医員 (70614759)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 非アルコール性脂肪肝炎 / 画像診断システム / 酸化ストレス / レドックス / in vivo イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
メチオニン-コリン欠乏餌で飼育したNAFLD/NASHモデルマウスを作成し、病態の進行に伴ったレドックス状態の変化をDNP-MRIで非侵襲的に測定をした。これにより画像的な可視化及び、ニトロキシルラジカルの消失速度の算出による数値での客観的評価が可能となった。病態進行に伴った、ラジカルプローブの消失速度低下が観測され、実際の病理組織像(HE染色, masson trichrome染色, sudan III染色)、酸化ストレスを反映する免疫染色(8OHdG, 4HNE)、血液生化学検査(GOT, GPT)、酸化ストレスマーカーの増加、抗酸化ストレス酵素(total antioxidant capacity)の減少など病態進行を反映するバイオマーカーとの強い相関性も示し、臨床応用が可能となった場合の有用性が示唆された。さらに、過去の報告を参考にこのレドックス状態の変化がミトコンドリア内で起こっているとの仮説を立て、病態モデルマウスの肝臓組織より分離した単離ミトコンドリアを用いX-band EPRでのレドックス状態を計測し、in vivoでの結果を同じ変化が生じている事を証明し、ニトロキシルラジカル消失のメカニズムについても示すことができた。また、メチオニン-コリン欠乏餌から通常食に戻した際の病態の回復状況に関しても同様にレドックス状態の変化として観察可能であり、創薬における病態評価での有用性についても示すことができた。また、病態モデル作成用の餌の組成を変更させることで、レドックス状態に与える影響が異なることも示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初に予定していた In vivo DNP-MRIを用いた各種実験が予定通りに進展した。また、非アルコール性脂肪肝炎マウスモデルにおける実験も、当初の予定通りに進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた結果は概ね予測通りであったため、次年度も申請書に記載した通りの当初の予定通り推進したいと考えている。また、順調にデータが得られており、現在、英文雑誌への論文投稿を進めている。
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Causes of Carryover |
実験動物や実験試薬の購入金額が想定より抑えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主な支出は実験動物の管理と試薬の購入が考えられる。 その他、研究成果発表のための論文掲載料及び国内外での学会参加旅費に充てられる。
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