2017 Fiscal Year Research-status Report
in-vivo血管血流速度計測による熱傷深度及び移植皮膚生着度診断技術の臨床応用
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16K16412
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
秋口 俊輔 富山高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (50462130)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 血管血流分布画像 / in-vivo計測 / イメージング / 診断技術 / 面計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本テーマの取組課題の一つである計測処理の高速化について改善を行った。ハードウェア面については昨年度までに開発した面計測装置を用いての計測実験を行った。これにより突起物のある人工流路内の流速変化やin-vitroでのマウス血管の血流計測を行い、これについて観察を行った。 ソフトウェア面ではリアルタイムイメージングが可能な装置を目指して開発を行った。GPGPUでの処理内容を見直すことにより解析処理の時間短縮を行った。これにより、FFTにより流速算出を行う際に必要となるデータ点数を所得する時間内で1ステップ前に取得したデータの処理を行うことが可能となった。 また、今後計測点数が増加することを視野に入れた同時計測可能点数の推定を行った。その結果、従来手法では100点程度の同時計測で解析処理時間が計測時間を上回ることが予測された。上記の処理内容に見直すことによってこの点数が400点近くまで増加しても解析処理時間が計測時間を上回ることはないことが予測された。 生体計測において、昨年度の計測結果より血流速が低い末梢部血管では血流速だけでの血管走行の判断は困難になるということが判明した。そこでこの問題に関して、これまでのようなドップラー周波数だけでなく、散乱光強度にも着目することで解決を図った。これにより当初予定していたものに加え、例えば末梢部血管での異常が検出されることがある糖尿病患者に対する診断装置としての利用といった応用が可能となり、本装置の適用範囲が広がる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本テーマの取組課題の一つである計測処理の高速化については、ハードウェア、ソフトウェア両面の改良によって、おおむね順調に進展しており、高速な処理や即時イメージングが可能となっている。また同時計測点数の限界推定も行い、現状問題ないことを確認している。 生体計測については当初の予定とは異なるものの、本テーマが目指す血流速計測による診断技術にとって重要な課題を発見することができた。本装置は血流を完全非侵襲かつ絶対値で測ることができるものであり、2本のレーザー光の交差位置を皮膚内部に設定すると、レーザー交差位置を通過する赤血球からドップラー周波数を含む散乱光が放たれ、ドップラー周波数から赤血球速度を推定できる。レーザー交差領域が計測領域となるので、計測する深さ位置も特定できる。交差位置をxy平面ならびに深さ方向(z軸)に操作することで、 3次元血流速マッピングができ、その血流速の分布から血管走行もわかるという特徴を持っている。しかし、生体計測を行った所、血流速がそもそも低い末梢部血管では血流速だけでの血管走行の判断が困難になることがあることが分かった。そこで、血流速情報の元となるドップラー周波数だけでなく、その散乱光強度にも着目し、この両方を用いた新しい計測手法に取り組んだ。その結果、血流速情報と散乱光強度分布を比較することで血管位置の特定と血流速の解析の両方ができるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
計測装置について、瞬時イメージングが可能であることは確認したが、実際どの程度の処理時間がかかっているのかは不明である。本テーマではリアルタイムイメージングの処理時間を10ms以下と定義し、上記時間以下での処理が可能なシステムの実現を目指す。 生体計測については実験によって新たな知見が得られることが多いため、今年度のように重要な知見が得られた場合にはその都度計画を修正しつつ問題解決に取り組む。
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Causes of Carryover |
本年度の研究概要でも示したが、計測実験の結果新しい知見が得られたため、当初予定していた機材の更新を先延ばしとしたためである。次年度は先延ばしとしていた機材の更新(ADボード・レーザーなど)や課題としてあげたリアルタイムイメージングを行うための解析用PCの更新を行う。
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