2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the effect in postural control by providing visual feedback of center of mass.
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16K16420
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
萬井 太規 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (10765514)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 体重心 / 足圧中心点 / 姿勢制御 / バランス / 発達過程 / 視覚フィードバック / 三次元動作解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度と次年度までに,床反力計シグナルから質量中心位置(COG)と足圧中心点(COP)を同時に視覚的にフィードバックする練習方法が,従来のCOP単独フィードバック練習や視覚フィードバックなし練習よりも優れていることが明らかとなった.この結果より,静的立位バランスにおいて,できるだけCOPと体重心(COM)が近づくような練習方法が効果があることが示された. しかしながら,動的バランス課題(例えば,片脚立位時の体重移動時の動作)においては,むしろCOPとCOMを大きく調節する能力が重要であることが示唆されている.また,COPとCOMの位置関係は疾患や加齢,発達過程により変化することも報告されている.対象者,あるいは動作課題に合わせた視覚フィードバック練習の刺激を修正する必要が考えられた.小児期における早期からのバランス練習や動作を経験する重要性が着目されてきていることから,COPとCOMの同時フィードバック練習の刺激提示方法を検討するために,小児期のCOPとCOMの位置関係の発達過程を検証することとした. 最終年度では,3-10歳までの小児50名を対象に,片脚立位課題中のCOPとCOMの位置関係の発達過程を明らかにすることとした.COPとCOM間の距離は,体重移動の際の重心を加速させる相では,単調的に発達せず,5-8歳児では過剰に反応することが明らかとなった.一方,片脚立位を保持する相では,単調的に漸減し,低年齢児ではCOPをCOMに近づけて制御することが困難であることが明らかとなった.本研究により,小児期においては,発達時期に合わせて刺激内容を調整する必要性が示唆される.また,動的バランス課題においては,COPとCOMの位置関係を適切に調整するような,例えば,近づけるだけでなく,離すことも取り入れた刺激提示が有効なバランス練習となる可能性が示唆される.
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