2017 Fiscal Year Research-status Report
脳シナプス解析からみた脳梗塞ラットの介入別の運動麻痺改善効果の検討
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16K16421
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐藤 ちひろ 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (70757468)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脳卒中 / モデルラット / 脳可塑性 / 運動麻痺 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 脳梗塞モデルラットの作成:脳卒中後の運動麻痺の病態および回復機序を明らかにするために、光増感反応を用いたPIT法により前肢に限局した運動麻痺を呈するモデル動物を作成した。 2) 脳梗塞モデルラットに対するリハビリテーション実施: ●運動機能評価:運動麻痺はBeam Walking test、Forelimb Placing test、Single pellet reaching testを用いて評価し、術前および術後の経過観察を行った。 ●リハビリテーション介入:介入手法には麻痺側肢集中使用(以下、CI療法)ならびにSingle pellet reaching(以下、リーチトレーニング)を用いた。脳梗塞モデル動物は、CI療法群、CI療法+リーチトレーニング群、非介入群の3群に分けて、それぞれの群に対して必要な介入を行った。 その結果、脳梗塞モデルラットは術後には前肢に限局した運動麻痺を呈し、自然回復は認められるものの、術後2週間以上に渡って運動麻痺が残存した(非介入群)。リハビリテーションを実施した2群では、運動麻痺が改善する傾向にあったが、特にCI療法単独で実施するよりもリーチトレーニングを併用した群において回復が顕著であった。回復が認められた機能は特に粗大運動機能であり、巧緻運動では有意な回復が認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) 脳梗塞モデル動物が安定して作出できるようになり、運動麻痺評価・治療介入も順調に進んでいる。 2) 巧緻運動機能の改善が認められなかったため、次年度は治療手法を検討していく予定である。 3)脳機能解析のための準備が整ったため、次年度は発症から回復にかけての脳機能解析を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、運動介入の種類を検討し、前肢の麻痺(特に巧緻運動機能)に有効な治療手法の同定を目指す。 さらに、発症から回復にかけての脳機能の変化を電気生理的手法や免疫染色などを用いて観察していく。
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Research Products
(8 results)