2016 Fiscal Year Research-status Report
ロボット型膝装具のリハビリテーション介入効果の検証
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16K16441
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
飯田 修平 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 助教 (10749211)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ロボット型膝装具 / 脳卒中片麻痺 / ランダム化比較試験 / 歩行能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、回復期リハビリテーション病棟に入院する脳血管障害片麻痺患者を対象に、ロボット型膝装具(RKO)を使用したリハビリテーションの効果をランダム化比較試験にて検討することである。 研究方法は、介入群(RKOを装着した練習群)・非介入群(通常練習群)の2群に封筒法で無作為に振り分け、RKOを使用した練習の介入期間は10日間とし、評価は介入前、介入後、介入後1ヶ月目の3回実施した。介入期間中のリハビリは通常の理学療法60分に加え、介入群はRKOを使用下練習を20分間、非介入群は通常の起立、立位、歩行練習を20分間追加した。評価項目は、10m歩行速度、歩行率、BBS、重複歩距離、歩幅と歩行の片脚支持期の左右対称性割合の絶対値とし、統計学的解析は反復測定二元配置分散分析を実施していく計画である。 平成28年度の研究計画では、「倫理委員会の承認を得ること」「ロボット型装具を購入すること」「研究のデータ測定を開始すること」とし、初年度は上記を達成した。研究は、医療法人沖縄徳洲会千葉徳洲会病院で実施しており、目標症例数の介入群15名・非介入群15名の計30名に対し、平成28年度末までに介入群9名・非介入群7名の16名のデータ測定が終了している。 途中経過として、現在までの介入群9名に対して、RKO練習前後(介入前・介入後・介入後1ヵ月)の効果判定を行った。結果は、介入後1か月歩行速度、歩行率、バランス能力、歩行の左右対称性の向上が有意に確認でき、その中で、重複歩距離、歩幅と歩行の片脚支持期の左右対称性においては、10日間の介入後にも有意な向上が見られた。 この途中経過の結果は、平成29年6月に開催予定のアジア理学療法士学会(ACPT)にて発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
倫理委員会の準備と手続き、機器購入の手続きが迅速であったため、平成27年5月の早い段階でのデータ測定が可能となった。 研究実施場所である千葉徳洲会病院では、医師、リハビリテーション科スタッフ、研究参加者の理解と協力も得られ、現在は目標症例数に対して約50%のデータ測定が終了した。 予期していない事象として、対象基準を満たす脳卒中患者の減少と時期による研究参加者数の変動があったが、現状までの進行状況としては概ね計画通りに順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
<平成29年度> 目標症例数に達するまでデータ測定を継続し、データ測定終了後にランダム化比較試験でのデータ解析を行い、論文作成を行う。介入群のみの結果報告(概要部分に記載)として、6月にアジア理学療法士学会での発表を予定している。また、同内容を英語論文で学術誌へ投稿予定である。 <平成30年度> ランダム化比較試験でのデータ解析と論文作成を継続する。 英語論文の投稿と国際学会での発表を検討している。
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Causes of Carryover |
平成28年度は、研究機器の準備や情報収集での使用が多かった。初年度でもあったため、成果発表での出張費や英語論文の構成チェックなどの費用が生じなかったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
英語論文作成における構成チェック、論文投稿費用、国内と国際学会での成果発表の参加費と出張旅費への使用を計画している。
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