2018 Fiscal Year Research-status Report
入院期心不全患者における新たな呼吸理学療法の運動耐容能への効果に関する研究
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16K16442
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
濱嵜 伸明 北里大学, 大学病院, 主任 (40448973)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 吸気筋力 / 慢性心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、慢性心不全の急性増悪で入院した患者に対して、吸気筋トレーニングを入院期より開始することで運動耐容能を改善するか否か、ならびにその安全性を検証することを目的として行われている。 2018年度には、本研究で用いる臨床指標の1つである慢性心不全患者における吸気筋力の低下が、運動時の死腔換気率を優位に増加し、換気効率を悪化することを明らかにした。これらの結果をまとめた論文は、英文誌へ掲載された。 また、人口の高齢化に伴って増加している左室駆出率の保たれた心不全患者において、吸気筋力の低下が予後不良の独立した予測因子となることを世界で初めて明らかにした。本研究の結果は、ヨーロッパ心血管病予防学会(EuroPrevent 2018, Ljubljana, Slovenia)においてBest Moderated Poster Awardとして表彰された。 さらに、心臓リハビリテーションを5か月間実施した慢性心不全患者において、心臓リハビリテーション前後の下肢筋力、吸気筋力および運動耐容能を測定し、下肢筋力および吸気筋力の変化と運動耐容能向上との関係を検討した。その結果、心臓リハビリテーションによる運動耐容能の有意な向上には、下肢筋力ばかりでなく吸気筋力の向上も寄与していることが明らかとなった。これらの結果は、日本呼吸・心血管・糖尿病理学療法学会のEnglish SessionにおいてBest Presentation Awardを受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究に関連する臨床指標の妥当性について検討し、2018年度には国際誌へ英語論文が掲載された(Hamazaki N, et al. Respirology, 2018. IF:4.407)。さらに、国際学会へ4演題発表し、そのうち3演題が学会賞を受賞した。 一方、本研究に用いる指標の見直しが必要とされ患者取り込みが遅延した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究に関連するプロトコールを発表し、目標症例数到達まで患者の取り込みを継続する。 また、研究から得られた成果ならびに研究に関連する調査結果について、国際学会や国際誌への報告を継続する。
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Causes of Carryover |
(理由)研究に関連した論文を追加で投稿する準備を行っていたが、準備に時間を要したため、国際誌へ投稿する際に生じる校正費が未使用となった。 (使用計画)国際誌へ論文投稿をするために必要な、校正費や論文投稿費として使用する予定である。
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[Presentation] Change in respiratory muscle strength predicts clinical events in patients with chronic heart failure2019
Author(s)
Hamazaki N, Masuda T, Kamiya K, Matsuzawa R, Nozaki K, Ichikawa T, Tabata M, Maekawa E, Noda C, Yamaoka-Tojo M, Matsunaga A, Ako J
Organizer
European Society of Cardiology Congress 2019
Int'l Joint Research
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