2020 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者における時間処理能力の構造解明と新規評価法の提案
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16K16458
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Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
西浦 裕子 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 福祉機器開発部, 研究員 (60710796)
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Project Period (FY) |
2017-02-07 – 2023-03-31
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Keywords | 高齢者 / 時間見当識 / 時間感覚 / 時間管理 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
発達障害児を対象に、スウェーデンにて開発された時間処理能力(時間感覚,時間見当識,時間管理)の評価ツールを参考に、高齢者の特性に合わせたKaTid-Old仮ツールを作成した。具体的には、2019年度に英語版から日本語版への翻訳および逆翻訳を完了し、さらに一部の質問項目については日本の文化特性に合わせた内容へと改編した。 2020年度は、2019年度に作成したKaTid-Old仮ツールを、高齢者約100名に試用することが目標であった。新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、評価実験の実施に遅れが生じたものの、2021年3月までに65歳以上の高齢者20名のデータを取得することができた。同時に、認知機能評価およびQOL評価を実施し、KaTid-Oldとの関連性を検証することとした。KaTid-Oldは10~20分程度で実施可能であり、対象者から疲労や心的負担等の訴えは無く、20分程度座位保持が可能な高齢者への負担は大きくないものと考えられた。 また、前述のような遅れが生じたため、スウェーデンおよびインドの時間処理能力研究班と協業し、これまでに開発された時間処理能力の評価ツールに関するスコーピングレビューを実施することとした。2020年度には、スコーピングレビューの研究プロトコルを論文にまとめ英文誌へ投稿し、現在査読中である。2021年度中に、スコーピングレビューを完了することを新たな目標とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、高齢者を対象とした評価実験の開始が遅れ、100名のデータ取得が目標であったものの、20名のデータ取得にとどまった。新たな計画として、時間処理能力の評価ツールに関するスコーピングレビューの実施を追加した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、新型コロナウィルス感染の状況に応じ、2020年度に実施予定であった評価実験を継続して行う。データ取得と並行してデータ分析を行い、最終版の質問項目決定を目指す。また、時間評価ツールのスコーピングレビューに関しては、検索条件でヒットした約4000件の論文をスクリーニングし、2021年中に完了することを目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、実験実施に遅れが生じたため。
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