2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K16463
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
福永 道彦 大分大学, 工学部, 准教授 (90581710)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 筋骨格解析 / 膝深屈曲 / 人工膝関節 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 「大腿下腿接触力に関する検討」については,予定していた「正座姿勢」「ひざまずき姿勢」「そんきょ姿勢」のうち「そんきょ姿勢」において結果を得た.想定したとおり,被験者の身体パラメータのほかに関節角度を変数に設定することで,推定誤差が平均値で37%,最大値で54%低減した.最も身体運動の自由度が高いそんきょ姿勢で望ましい結果を得られたことから,正座とひざまずき姿勢においても同様の結果が期待できるほか,床反力の作用点位置も同じ方法で推定できる可能性が確認できた. (2) 「深屈曲動作を解析する計算モデルの構築(基礎モデル構築)」については,三次元モデルによって膝深屈曲時の大腿膝蓋関節の解析に成功した.このことにより,従来の三次元モデルで深屈曲動作を再現できなかった原因をある程度まで特定することができた.大腿膝蓋関節の解析においては,脛骨の前方移動や軸回旋によって接触面のリフトオフも再現することができたほか,膝蓋骨コンポーネントや膝蓋腱がPS型人工膝関節のポスト部と接触する可能性についても指摘することができた.一方,本テーマで主要な問題となる大腿脛骨関節の解析については,従来は筋力算出のために用いてきた下肢二次元モデルとの統合を目指し,膝関節まわりのモーメントを釣り合わせるよう筋力を暫時変化させて解を得るモデルを作成中であるが,現状は限定的な動作でしか結果を得られていない.また,深屈曲位における結果も現状では得られていない. (3) シミュレータ実験については未実施であるが,研究計画どおりである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の計画のうち,「大腿下腿接触力に関する検討」については,達成目標の半分程度の結果が出ている段階である.本年度中に方法論を確立できたため,対象とする身体姿勢を拡張して測定実験を行うことで,計画通り,平成29年度中には片を付けられるペースで進展している.「計算モデルの構築」については,大腿脛骨間の計算モデルが確立できていない状態であるが,当初計画から2年がかりでの完成を目指していたものである.大腿膝蓋関節で深屈曲動作の解析ができたことも考え併せて,現在までのところはおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)大腿下腿接触力については,正座姿勢とひざまずき姿勢を対象とし,そんきょ姿勢と同様の方法で推定式を見出す.また,ひざまずき姿勢における足部・膝部にかかる床反力の大きさや,正座姿勢における床反力作用点位置についても同様の方法で推定式を導出する予定である.これにより,三次元モデル解析の入力値には,特殊な場合を除いて外力の入力が不要になることが期待できる. (2) 膝関節の三次元モデル解析については,2つの道筋から問題解決を試みる.すなわち,「下肢二次元モデルとの統合を目指した,筋力算出型三次元モデルの構築」と,「膝深屈曲に特有な現象のモデル化」である.前者については,従来は大腿脛骨関節の計算において,膝屈曲角度と筋力を入力値とするために屈伸方向の余剰モーメントを無視してきた.一方,平成28年度に実施した大腿膝蓋関節の計算では余剰モーメントを小さくするよう角度を変更しながら解を収束させたことから,大腿脛骨でも同様に,角度ではなく筋力を調整するモデルによって解を収束させられると考えられる.後者は,大腿脛骨を浮き上がらせる軟組織の内力が主たる問題点であることが明らかになりつつある.圧縮ばねによってモデル化すれば現用モデルの靭帯と似た取り扱いができるため,(1)の実験とあわせて付着部位置やばね定数を同定する計画である. (3) シミュレータ実験による妥当性の検証については,能動的な膝運動シミュレータの姿勢制御が未完成であり,使用できるか不透明な状態であるため,深屈曲に対応した受動式シミュレータの製作に取りかかる.
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Causes of Carryover |
シミュレータの使用準備をする予定だったところ,計画が繰り下がったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
シミュレータ制作のための材料費,加工費などに使用する予定である.
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Research Products
(7 results)