2016 Fiscal Year Research-status Report
アルツハイマー病患者の町歩きの特徴とオプティック・フロー認知障害の関係
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16K16464
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
木内 真美子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (10631070)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / 認知症 / 地域生活支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アルツハイマー病患者が町を歩く際の行動の特徴と、その際の視点の特徴や風景の流れ(オプティック・フロー)を認知する障害との関係を明らかにし、アルツハイマー病患者が地域で暮らす上での危険回避の手がかりを見出し、地域支援の一助とすることを目的とする。 28年度は、本研究の趣旨に同意の得られた、健康な65歳以上の高齢者9名、アルツハイマー病患者9名を対象に、オプティック・フロー認知の評価を実施した。方法は、アイマークレコーダを装着した対象者の前方にスクリーンを設置し、プロジェクターにてオプティック・フロー刺激を投射した。オプティック・フローの中心の位置は、開始時の固視点(中央)から、右上・右下・左上・左下に一定距離だけ離れた4つのうちの1つとし、それをランダムに提示した。この時に起こるオプティック・フロー中心への固視を記録し、その正確さを固視点とフローの中心との距離で測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験機器の不具合が発生したことと、町歩きの評価について、解析上の問題で道具に改良を加える必要ができたため、試行を繰り返す必要があり時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度の実験より、健康な高齢者とアルツハイマー病患者のオプティック・フローの認知評価の結果を解析、比較する。また、健康な20歳代成人のオプティック・フロー認知の評価、各対象者における町歩きの評価、解析を進める予定である。 これら三者の関係から、町を歩く際の特徴的行動の背景にある、脳機能障害のひとつを明らかにし、地域で暮らすアルツハイマー病患者の支援に役立つ、危機予測・回避の手がかりを見出す。
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Causes of Carryover |
28年度に実施した実験は、以前より当該研究者の使用している実験機器、道具、環境で行えたため、新たな支出の必要がなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度は、実験旅費、実験道具改良に必要な物品、データ保存に使用する記録媒体、参考書籍、論文投稿にかかる費用などに使用する予定である。
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