2016 Fiscal Year Research-status Report
「楽な歩行」訓練が可能となる新型歩行器の開発およびその臨床評価
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16K16469
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
原口 真 福井工業大学, 工学部, 准教授 (80467547)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 福祉ロボット / リハビリロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
持ち手を移動可能な,新規構造を有したリハビリ用歩行器を設計・製作した.持ち手にはigus社製のガイドレールを用い,支持手の移動の際,交互歩行器のように歩行器を持ち上げる必要が無いようにした.左持ち手の直進運動は三ツ星ベルト社製のタイミングベルトを介して,車軸へ回転運動として伝わるようにしている.一方,右持ち手はGates社製のダブルタイミングベルトを利用しており,左持ち手とは逆方向の動きを入力軸に伝える.これによって,左持ち手を前(後ろ)に動かしたとき,左持ち手は後ろ(前)に連動して動く.右持ち手を前に動かした場合と左持ち手を前に動かした場合とでは回転方向が変わるため,そのままでは歩行器は前進と後退を繰り返してしまう.そこで,タイミングベルトとINA社製のワンウェイクラッチを用いた新型機構を挿入することでこの問題の解決を図った.この機構は入力軸を左右どちらの方向に回転させても,一定方向の回転を出力することができる.モータでのアシストはまだ行っていないが,人の力で持ち手を交互に動かしたときに,実際に歩行器が前進することを確認した. この歩行器は,下肢に体重をかけながら脊柱を回旋し,交互に支点の手足を変更しながら体重移動を進める,後方交叉型斜対歩ができることを目的としている.本歩行器を導入することで,従来型の歩行器の問題点(持ち手が固定されているため,脊柱の自然な回旋が妨げられ,また体幹が前のめりになりがちになり下肢に充分体重を載せることができず,二足歩行訓練に繋がらない)は解消され,歩行器の後段階の訓練である杖有りや杖無しの歩行へスムーズに移行していける.また,歩行器の前段階訓練である平行棒を利用した訓練よりも使用者の適用範囲が広がる可能性がある.平行棒や歩行器に代わる新しい福祉機器と言える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本体の機械設計と製作は終わったが,採用したダブルタイミングベルトには摩擦や歯飛びの問題があることが実際に使用してみて分かったため,ダブルタイミングベルトの採用は取りやめて,現在代用としてシンプルに歯車の採用を検討している最中である.このように,ハード面に想定外の問題があったため,事前の計画よりも装置の完成が遅れている. 同時並行して,北陽電機社製のレーザ測域センサによる歩行状態の分析手法,Microsoft社のKinectを用いた脊柱の状態の監視方法の確立を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
ギアによる装置の改良を5月中に終わらせる.また,モータと加速度センサおよびパウダーブレーキを追加したアシスト制御を7月までに終わらせる. 共同研究先の病院の療法士と月に1回打合せを実施しているが,その際に使用感を確認してもらい,改良を進める.臨床評価が可能かどうかの相談も適宜実施していく.
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