2017 Fiscal Year Research-status Report
特発性間質性肺炎患者の身体活動を向上させる呼吸リハビリテーションプログラムの開発
Project/Area Number |
16K16470
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
有薗 信一 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (70713808)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 間質性肺炎 / 低酸素血症 / 健康関連QOL / 息切れ / 運動耐容能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,社会問題となっている在宅酸素療法を必要とする特発性間質性肺炎患者の運動耐容能と身体活動の改善および生命予後を向上させるための「酸素療法を併用した呼吸リハビリテーションプログラム」を開発し、その効果を検証して、対象患者並びその家族の在宅および地域社会における生活の質(QOL)の向上をはかることであった. 平成29年度では,酸素療法が特発性間質性肺炎患者の運動耐容能や息切れ感に及ぼす短期効果を検証した.6分間歩行試験で運動中のSpO2が90%未満になった72例の患者をエントリーした.対象に酸素吸入4L下と圧縮空気4L下(プラセボ)の2条件下で定常負荷試験別の日で無作為な順番で実施した。定常負荷試験は、心肺運動負荷試験で得られた最高仕事量の80%負荷量で実施し、パルスオキシメータにてSpO2を測定し、運動持続時間と息切れ感と下肢疲労感をボルグスケールで評価した.2群間で運動持続時間と,運動終了時とisotimeでの息切れ感と下肢疲労感を比較した.特発性間質性肺炎患者72例は平均66.5歳,%肺活量81.8%,%肺拡散能(DLco)53.2%であった.酸素吸入の運動持続時間は平均547秒であり,プラセボの運動持続時間428秒と比べて有意に増加した(p<0.05).運動終了時の息切れ感と下肢疲労感は差を認めなかった.しかし,isotimeでの息切れ感と下肢疲労感では酸素吸入の方がプラセボより有意に減少した.酸素療法は,労作時低酸素血症を認める特発性間質性肺炎患者の運動耐容能と呼吸困難感と下肢疲労感を改善させる.これは今後の研究課題である特発性間質性肺炎患者における酸素療法と運動療法の併用が運動耐容能や息切れ感に及ぼす効果を検証する上での重要な基礎データである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は「酸素療法が特発性間質性肺炎患者の運動耐容能や息切れ感に及ぼす短期効果の検証」を課題とし,本課題は予定通り達成したため概ね予定通り計画は進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,酸素療法を併用した呼吸リハビリテーションによる特発性間質性肺炎患者の身体活動量と健康関連QOLの効果を検証する予定である.
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Causes of Carryover |
(理由)対象患者のエントリーが順調に進み,対象の予定人数をクリアーできた為,データ測定の出張回数が予定より少なく済んだためである. (使用計画)身体活動量計購入するとともに,論文を執筆に着手できるように研究を進める.計画に従って予算を執行する.
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Research Products
(10 results)