2017 Fiscal Year Research-status Report
情動と気分変化を利用した快/不快ストレス予測に基づく労働者のうつ病予防支援の研究
Project/Area Number |
16K16471
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
梶原 祐輔 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (80710706)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 気分予測 / 認知負荷 / 脈拍変動 / 行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、慢性ストレス負荷実験を行い、その結果を基に気分予測精度の向上を図るとともに、因果分析し、気分変化による慢性の快/不快ストレス予測手法の開発を行い、評価した。実験では被験者にウェアラブルな脈拍計を装着してもらい,日々の脈拍を取得し,あわせて日々の気分をアンケートで測定した.その結果,日照量や余暇などのイベントの発生回数から2週間までの気分を約7割の精度で推定できることを示した.また,人間関係の良好さを脈拍変動の類似性から7割程度の精度で推定できることを示した.実験では被験者にウェアラブルな脈拍計を装着してもらい,脈拍を測定するとともに,親密度の変化をアンケートで測定した.また解析した結果,人間関係が良好であるほど,脈拍変動が類似することを明らかにした.これらの結果はSensors and materials(h5-index=10)に投稿し,採録が決定した.さらに性格を考慮することで情動の推定精度を向上することを示した.この結果はSENSORDEVICESに投稿し,採録が決定した.生体信号は交感神経・副交感神経の活性度の他に運動で変化する.それゆえ,行動から人間の心理状態を推定する研究を行った.その結果,頭部の動きから認知負荷を7割程度の精度で推定できることを示した.この結果はInternational Journal of Internet of Thingsに投稿し,採録された.また認知負荷を推定する研究を日本原子力学会春の大会にて講演した.そのほかに本年度は企業セミナーで講演を行い、これらの研究成果を社会・国民に発信した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画である,気分予測精度の向上を図り,それを示した.また生体信号は交感神経・副交感神経の活性度の他に運動で変化するが,この欠点を補うべく,行動から人間の心理状態を推定する方法も模索し,精度を示した.それゆえ,研究はおおむね順調に進行している.
|
Strategy for Future Research Activity |
企業と連携し,生産工程での人間の心理状態を推定し,そのフォローの効果について検証し,知見を得る.作業中の作業者の行動と生体信号を取得し,人間の心理状態を推定する上で有効な特徴量を示す.そのうえで、フォローの効果を含めた生産工程における人間の心理モデルを構築し,妥当性を示す.
|