2017 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病患者の歩行リズムに影響を及ぼす内的リズム形成の重要性
Project/Area Number |
16K16474
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
木村 大輔 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (10759658)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 内的リズム障害 / 歩行 / タッピング / 運動制御 / リハビリテーション / 神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、パーキンソン病患者の「歩行中のすくみ足」に、上肢のタッピングによる自発的リズム運動(内的リズム運動)訓練がもたらす効果について実験的に調べ、脳内のリズム形成障害とすくみ足の関係を運動学的分析と脳科学的分析手法を用いて解明することが目的である。 1年次(28年度)ではタッピング運動と歩行リズムの定量化ができるようになったが、思うような結果を得ることができなかった。2年次(29年度)には研究者協力者とともに改善点を洗い出し、被験者への指示などを含めた実験デザインと、測定方法などの再検討した。その後、改めて上肢タッピング課題がパーキンソン病患者の歩行リズムに与える影響について実験を行った。これにより新たな運動学的データを取得し、解析を行った。結果は内的リズム課題がパーキンソン病患者の歩行リズムに影響を与える可能性を示した。この結果を学会発表し、現在は研究成果を国際誌に投稿するために論文執筆中である。しかしながら、加齢影響の可能性を排除できないことや症例数の少なさが問題となっている。これらの結果を受けて、今年度は実験デザインを洗練させ4-6月に高齢者と若年者、7-8月にPD患者の運動学的データを再び計測する予定である。 また本研究のもう一本の柱である脳科学的分析に関しては未だ実行するには至っていない。しかし、前年度は実施が難しい環境にあったが、川崎医科大学附属病院での実験環境のセットアップに尽力し、実験準備が整いつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ数がまだ十分ではなく、本研究の進行状況は予定よりも遅れている状態である。内的リズム運動が歩行速度や歩数には影響を与えないが、リズムに影響を与えることが明らかとなってきた。しかしがなら、先行研究では聴覚的なリズム刺激がパーキンソン病患者の歩行を改善するといわれているが、実際にどの程度リズム情報が利用されているかは明らかではなく、不明な点も多い。より詳細に検討していくべき事項が存在する。
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Strategy for Future Research Activity |
脳科学的分析手法を用いて、脳と外的・内的リズム運動の関係を検討する予定であったが、実験環境の確保が難しいため研究の方向性を修正して実施する予定である。運動学的分析を行うための環境は整っているので、データ数を確保するともに、リズム情報の利用程度について詳細に検討していく。このことでより神経メカニズムに基づいたリハビリテーション方略を考案できると考えている。
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Causes of Carryover |
研究が予定通り進んでおらず、やや遅れている状況にある。そのため、被検者の謝金や出張費、校正・投稿費を使用することが少なかったため、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は今までの成果をまとめる論文投稿費として使用し、また被験者数を増やし、データを測定していく予定であるため、新たな被験者の謝金、データ測定とミーティングの出張費、新たな論文の投稿費として利用する。
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Research Products
(1 results)