2017 Fiscal Year Annual Research Report
The role of corticotropin releasing hormone in acquisition of motor learning
Project/Area Number |
16K16486
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
竹内 絵理 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第四部, 流動研究員 (70712777)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コルチコトロピン放出ホルモン / 運動学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
コルチコトロピン放出ホルモン(Corticotropin releasing hormone : CRH)は41個のアミノ酸からなるペプチドホルモンであり、主に視床下部室傍核から分泌され視床下部―下垂体―副腎系を介した内分泌系のストレス応答において中心的役割を担っている。CRH産生ニューロンは脳内において広範囲に存在しており、CRHは神経ペプチドとして様々な脳機能に関与することが示されている。小脳においては運動学習の細胞レベルでの基盤メカニズムである長期抑圧の発現に必要であることが報告されている。しかしながら、運動学習とCRHの関係については不明な点が多い。そこで本研究は、運動学習の神経機構に対するCRHの役割の解明することを目的としている。昨年度までの研究において、ラット小脳にCRHを注入するとロータロッドテストの滞在時間が延長し、特に初期の運動学習が亢進することを示してきた。そして、この滞在時間の延長は投与されたCRHが関与することが示唆された。平成29年度では、内在性のCRHと運動学習との関係を検討するためにマウスに慢性ストレスを負荷し、小脳内におけるCRHの発現量および内在性CRHの運動学習に対する影響について調査した。慢性ストレスを与えたマウスの小脳におけるCRH mRNAの発現量を非ストレス群と比較したところ、ストレス群のCRH mRNAの発現量が増加していた。ストレス群のロータロッドテストの滞在時間は特に学習の初期段階の滞在時間が延長しており、小脳皮質内に存在するCRHが運動学習の獲得の亢進に貢献することが示唆された。
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