2016 Fiscal Year Research-status Report
構造的類縁プログラムを基軸とした野外教育プログラムの教育・治療構造の検討
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16K16489
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
渡邉 仁 筑波大学, 体育系, 助教 (70375476)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 野外教育 / 自然体験プログラム / キャンプ / 教育学 / 臨床心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、野外教育プログラムに関する研究は、場(状況)や個別性を考慮した質的アプローチと共に、教育・治療的構造の理論的検討が課題である。そこで本研究の目的は、児童期から青年期を対象に野外教育プログラムを実践し、自己成長の効果に対する定量的及び定性的検討を蓄積しつつ、そのプログラムの構造を理論的に定位することである。 特に、平成28年度の研究課題は、(研究課題1)野外教育プログラムによるクライエントの[短期的]な自己成長効果の検証、および(研究課題2)野外教育プログラムによるクライエントの個別性への影響の検討であった。 (研究課題1)について、本研究では筆者自身が野外教育プログラムを計画・実施することを前提に、調査を行うことであった。しかし、当初計画どおり1週間程度の野外教育プログラムは実施をしたが、種々の事情により量的データ(質問紙法)の収集ができなかった。そのため、別途実施したショートプログラム(2泊3日)において、量的データの収集を行った。現在は、収集されたデータを整理し、統計的な分析を進めている段階である。 (研究課題2)については、雪上における野外教育プログラムを実施し、参与観察を行った。約10ヶ月後に、そのプログラムを体験した11名のクライエントに対して、プログラム前・中・後において感じていたことや考えていたことなどを「半構造化面接」を実施して質的データの収集を行った。現在は、語られたデータを逐語データに変換する作業とともに、別途収集された参与観察データを含めて、総合的に質的分析を進めている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(研究課題1)において、当初計画してた1週間程度のプログラムを実施することはできたが、結果的に十分な量的データの収集ができなかったため。また、収集したデータの分析・解析に関して、当初予定していた進捗に達していないため。 (研究課題2)において、半構造化面接で得られた音声データの逐語化は順調に進んでいるが、その分析・解析が予定通り進捗していないため。
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Strategy for Future Research Activity |
(研究課題1)に関して、平成29度においても、引き続き1週間程度のプログラムを実施する。その上で、再度、量的データの収集を行う。また、すでに収集した量的データに関しては、早急に統計処理を行い、次年度収集される予定のデータと合わせて分析を試みる。 (研究課題2)に関して、MAXqdaソフトを用いて質的データの分析を進める。同時に、研究協力者にデータ解釈のトライアンギュレーションを行ってもらい、分析・解釈の妥当性を保証しなが分析を進める。 (研究課題3)に関して、比較対象とする代表的な基軸プログラムを選定および最終決定し、そのプログラムの教育・治療構造と野外教育プログラムとの類似・相違点を検討する。
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Causes of Carryover |
国際学会等に参加し、資料収集等を行うことを予定していた。しかし、日程の都合がつかず、出張を見合わせたために未使用額が生じた。また、希望していた備品購入(MTB等)の在庫がなかったために、購入を見送ったために未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際学会等への参加に関わる旅費や資料収集、および購入を見送った備品購入に充てる予定である。
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