2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K16496
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
井上 康生 東海大学, 体育学部, 准教授 (00609430)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 柔道 / 減量 / 体水分量 / 体重管理 / 減量失敗 / 調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
階級制の柔道において、より高いパフォーマンスを発揮するには減量の成功が必要不可欠である。減量では主に体脂肪量や体水分量の減少を狙い、前日計量時には規定体重をクリアできるように調節しながら行う。しかし、一部の選手の減量は過度であり、危険であるだけでなく、パフォーマンスを低下させる。そのため、減量の安全性とパフォーマンスを低下させないという両方を満たすような目安となる指標が必要であると考えた。階級ごとに、目安とする体水分量や体脂肪率が定まることで、エビデンスに基づいた客観的な指導となる可能性がある。そこで本研究は、男子大学柔道選手の計量日の体組成を測定し、体水分量や体脂肪量などの実態を明らかにすることを目的とした。 これまで計量日の体組成についてインピーダンス法の体成分分析装置(InBody)を用いて、のべ約200名のデータを測定した。同一条件のみの選手で分析した結果、一部の階級の選手の体水分量や細胞内水分量が通常時よりも有意に減少している傾向が見られた。しかしながら、個人差が大きく、これまで階級ごとの目標値となる数値の算定には至っていない。特に、身長や体脂肪量の違いなどによるばらつきが表れている事も考えられ、分析方法の検討が必要かもしれない。 次年度以降は、試合後に減量がパフォーマンスに及ぼす影響に関する質問紙調査を実施し、パフォーマンスと体水分量との関連性を検討していく。「計量日の体水分量が少ない選手は、良いパフォーマンスができていない」という仮説の立証に期待している。さらに、減量実施期間中の体脂肪量及び体水分量などの体組成の動態を調査して、その変動幅についても検討する。インピーダンス法のため機器の違いによる影響なども検討するため、2台以上を用いて分析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年度に十分な対象者のデータを集めることができず、本年度も継続して実施した。そのため、一部に遅れが発生している。しかしながら、研究1の見通しがたったため、本年度中に研究2へと移行している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までで研究1としている「柔道選手の通常時及び計量日の体組成の違い」について検討した。本年度は、「計量日の体組成と試合のパフォーマンスとの関連性」や「減量期間中の体水分量の変動」について検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
2年目に実施する予定の研究の一部が3年目に遅れている。3年目には謝金を利用して、より円滑な実施を試みる。また、2年目の研究成果がまとまることで学会発表などの成果発表につなげることができる。
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Research Products
(2 results)