2020 Fiscal Year Research-status Report
集団のダイナミクスを活性化するメンタルトレーニングプログラムの確立
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16K16509
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
江田 香織 (宮田香織) 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツメディカルセンター, 契約研究員 (30612478)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グループダイナミクス / チームワーク / 対話的競技体験 / メンタルトレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、集団内のグループダイナミクスを活性化するメンタルトレーニングプログラムを構築することを目的としている。集団競技のチームづくりにおいて,集団のダイナミクス (Group Dynamics: 以下GD)に注目する必要性が指摘されているが (e.g., Yukelson, 1997),国内外においてこの点に関する研究は十分でない.本研究ではこの点に取組むことによって、これまで十分に発展してこなかった集団競技の競技力向上に役立つ心理サポートを今一歩進めるという点で意義がある。 本プログラムは、我が国で開発されたイメージを用いたグループワークの一つであるファンタジーグループ (樋口、 2000)およびグループ箱庭療法 (岡田、 1991)を元にプログラムを構成した。2017年度よりプログラムの構成を行い、各年度ごとに課題を明確にし、修正をはかってきた。プログラムの主な変更点は以下の通りである。 1.競技とグループワークの場を明確に分け、グループワークにおいては自由に遊べる空間を作った、2. 介入期間の延長した、3. グループワークで得た課題と現実的な競技場面での課題をすり合わせるためのミーティングやメンタルトレーニングを実施した。 その結果、2019年度より競技力の向上が見られた。 2020年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、限られた試合のみの開催となったが、介入チームの競技成績は向上した。このような効果の維持について検討するため、今年度はインタビュー等のフォローアップを行い、効果の検証及び今後の課題を明確にしていくことを予定していたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、試合や練習を見学することやインタビュー調査を実施することができなかった。そのため、来年度、計画を修正し、遠隔でのフォローアップを行い、効果の維持について検討することとしたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画当初は2019年度までで介入を終了し、2020年度にこれまでの介入をまとめ、発表する予定であった。しかし上記のような介入方法の改善により、2018年度からチーム内の言語的、非言語的コミュニケーションが活性化し、チームメンバー相互の理解が促進されているようであった。さらに2019年度になると、競技力の向上が確認されたため、2020年度は試合観察やインタビュー調査などを実施し、フォローアップを図りながら効果の検証を行う予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、主要な大会が中止になることや、実施されても規模が縮小されること、無観客での試合となってしまったため、試合観察を実施することができなかった。また、部活動の自粛に伴い、インタビュー調査を実施する時間を確保することも難しかった。そのため、遠隔でのインタビュー実施体制を整えるなど、コロナ禍で実現可能な実施体制を整えることを検討し、今年度出来なかったフォローアップを次年度実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
計画当初の段階では、最終年度において選手たちにインタビュー調査を実施し、これまでの介入およびチームの変化について振り返りを求める予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、対面での調査が難しい状況となった。遠隔のインタビューも検討したが、部活動の自粛に伴い、活動時間が減っている中でインタビュー調査の時間を確保することが難しかった。そのため次年度は指導者へのインタビューのみ遠隔で実施し、選手には自由記述式のアンケート調査を実施すること、主要な試合の動画撮影を依頼し、チーム状況の変化を確認していきたいと考え、介入チームに交渉している。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、主要大会の縮小、廃止、部活動の活動自粛に伴い、最終年度に実施予定だったインタビュー調査等の実施が困難になったため、研究に遅れが生じている。これに伴い、経費の使用も遅延している。 そのため、先にも触れたように、次年度は指導者へのインタビューのみ遠隔で実施し、選手には自由記述式のアンケート調査を実施すること、主要な試合の動画撮影を依頼し、チーム状況の変化を確認していきたいと考え、介入チームに交渉している。
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