2016 Fiscal Year Research-status Report
運動の正確性に資する筋力発揮方略の探索と制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
16K16516
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
速水 達也 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (50551123)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 筋力 / 筋活動 / 同時収縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、初期値として設定した強度から発揮筋力を漸増あるいは漸減する条件下で、目標強度を正確に実現するために適正な発揮筋力の変化量を明らかにするとともに、その際の運動制御機構を解明することを大きな目的としている。今年度は、発揮筋力の増減および異なる変化量を多段階に設定にした場合の目標強度に対する正確性の定量化と、発揮筋力の増減あるいは変化量を多段階に設定した場合の筋活動様相の解明を目的として研究を進めた。 対象者は、整形外科的および神経学的な既往がない成人男性とし、次の2項目を測定した。まず、運動課題は、下肢の運動として足関節底屈/背屈運動とした。測定条件は、目標強度3種類(最大随意収 縮力: MVCの30%、50%、70%)×発揮筋力2種類(漸増/漸減)×変化量2種類(30%MVC、10%MVC) の計12条件とした。視覚フィードバックは行わず、対象者は自身の力覚変化を参照して筋力発揮を行った。正確性を定量化するために、対象者が発揮した力を測定し、目標強度に対する誤差を算出した。その結果、変化量が大きく、且つ、漸減する条件において誤差が最も大き結果となった。 次に、その際の筋電図測定として、各条件下における主動筋およひ拮抗筋の筋活動を測定した。得られたデータから、各筋の筋活動量および主導/拮抗の割合を算出した。被験筋は、内側/外側腓腹筋、ヒラメ筋、前頸骨筋とした。その結果、変化量が大きく、且つ、漸減する条件において同時収縮の程度が大きくなることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上肢の運動を対象とした実験を行ったものの、その解析が未完である。また、下肢の筋活動に関しては、躍度の解析および正確性との関係性に関してもさらに解析を進める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
筋活動計測はすでにデータ収集を完了しているために、引き続き解析を進めていく。また、顕著に傾向が認められた条件下の特徴については、神経生理学的手法を用いて上位中枢の働きを解明していく。
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Causes of Carryover |
28年度未使用分については、当初計画していた論文化するための英文校正が行えなかったため生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度請求額とあわせて、国際学会での成果発表、筋電図用アクティブ電極、必要に応じて解析プログラムソフトウェアの購入等を行う。
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