2016 Fiscal Year Research-status Report
強度やペースの異なるダイナミックストレッチングが筋力や柔軟性に及ぼす影響
Project/Area Number |
16K16517
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水野 貴正 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 講師 (70723708)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ダイナミックストレッチング / 柔軟性 / 筋力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、ダイナミックストレッチングのペースと強度の違いが関節可動域や筋力および筋腱スティフネスに及ぼす影響を明らかにすることである。 本年度の課題の実験を行う前に、ダイナミックストレッチング後の関節可動域増加量と相関関係が高い指標は何かについて検討を行った。その結果、ダイナミックストレッチング中に大きな可動域でストレッチングを行える者ほど関節可動域増加率が大きいことを明らかにした。具体的には、ダイナミックストレッチング中に受動的な最大背屈角度と同程度、またはそれ以上の可動域で背屈動作を行える者ほど関節可動域の増加率が高かった。一方で、各個人が有する最大筋力は柔軟性の増加率と一切関係がなかった。つまり、ダイナミックストレッチングによる柔軟性の増加率を高めるためには、関節を動かす際に必要となる筋力が強いかどうかは関係なく、いかにストレッチング中の可動域を大きくして行うかが重要である。本結果は、平成28年度日本体力医学会にて発表した。 平成28年度の課題は、ダイナミックストレッチングの実施ペースの違いにより、関節可動域や筋力および筋腱スティフネスに及ぼす影響の程度がどのように変化するか明らかにすることであった。本年度の課題に対する取り組みとして、測定機器の購入及び実験環境の整備を行った。特注の測定機器を購入したため、購入後も機器の再調整などが長期にわたっている。また、プレ実験を行い実験設定の最終検討を行っている。 本研究課題を明らかにすることにより、主に運動前のウォーミングアップで行われているダイナミックストレッチングによって筋力や柔軟性を高める最適な実践方法が明らかになると考えられる。また、その結果は学校体育、競技・レクリエーションとしての運動、リハビリテーションなど幅広い領域において応用可能であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」に記したとおり、本研究課題に重要な示唆を与えるであろうと考えられる実験を本研究課題にに取り組む前に行ったため、当初の研究計画よりも進捗状況はやや遅れている。また、測定機器を特注で作成したため、購入後も機器の再調整が何度か必要となり、このことも実験の進捗を遅らせた要因となっている。しかし、28年度分の遅れは29年度中に十分取り戻せると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、当初の29年度研究計画に加え平成28年度に実施出来なかった実験も含めて実施する予定である。具体的には、4~7月にかけて28年度及び29年度の実験を実施、8~10月にかけてデータ解析を行う予定である。また、その結果を国際誌へ投稿する予定である。
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