2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K16540
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
下門 洋文 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助教 (50757911)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 水泳 / PIV / 筋電図 / 圧力 / 回流水槽 / モーションキャプチャ / 水中運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトにおいては、水中ドルフィンキック中の泳者に対して筋電図計測、圧力計測、流れ場計測を同時に行い、泳者の力-流れ場関係を調査し、泳者とその周りで起きている現象の解明を目的としている。今年度は、計測環境の確立を目指して取り組んだ。 実施する上での課題として、ステレオPIV法(Particle Image Velocimetry)を用いて流れ場を可視化する際に、従来の方法では観察領域としては狭いこと、解析によって速度ベクトルのエラーが多数発生することが挙げられ、これらを解決し精度を高める必要があった。これを達成するため、既にPIV測定実績のある回流水槽にて実験を行った。カメラの設置位置と撮影角度を変える等、撮影方法を改善させることで画角範囲を約50%鉛直方向に広げることに成功した。また、計測領域に泳者の足部が近づくことで画像に足部が映り込み、これが解析時に誤ベクトルを発生させていた。この足部をマスクするプログラムを作成することで算出される誤ベクトルを減少させた。 これら修正によって水中ドルフィンキック中泳者後方の流れ場を三次元化する精度が高まり、泳者がキックした後のジェット流とその後の渦の経過がより広範囲で可視化できた。特に、けり上げ動作後に生じる渦対は、その後に行う急峻なけり下ろし動作での推進力発生に寄与する可能性が示唆された。コンピュータシミュレーション上では水中ドルフィンキックのけり下ろし動作後に生じる渦が可視化されていたが、今回の計測環境確立によって実測では初めて実現可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PIV計測実績のある回流水槽での実験を行い、精度向上は達成でき計測環境は着実に整っている。この過程で得られたデータは既に学会発表を済ませている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は計測方法を改善させ、回流水槽で行っていた計測手法を屋内プールへと転用することを見込んでいたが、機器設定の問題と流れ場を三次元化する手続きに問題があり、実現可能性が低い。このため、確実な計測を達成するために次年度以降の実験は全て回流水槽にて行うよう変更する。次年度は筋電計測と圧力計測を同時に測定し、さらにその精度を高めるよう環境構築を目指す。
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Causes of Carryover |
実験内容を変更し人件費の支出を行わなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の人件費へ充てる予定。
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