2018 Fiscal Year Annual Research Report
Clarifying the relation between force and flow during undulatory underwater swimming
Project/Area Number |
16K16540
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
下門 洋文 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助教 (50757911)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 水泳 / PIV / 筋電図 / 圧力 / 回流水槽 / モーションキャプチャ / 水中運動 / 流体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、水中ドルフィンキック中の泳者の筋活動および足部に働く圧力の計測、さらに泳者後流の流れ場の可視化を同時に行い、推進する泳者と流体の関係、いわゆる力-流れ場関係を調査し、泳者とその周りで起きている現象を解明することを目的とした。 最終年度は、回流水槽内で三つの計測(筋活動、圧力、Particle Image Velocimertry: PIV)を同時に行い、さらに計測エリアの拡大を試みて泳者の推進メカニズム解明に取り組んだ。 トップレベルのスイマー1名が参加し、十分なウォーミングアップの後に回流水槽にて水中ドルフィンキックで泳いだ。泳者後流の流れ場の可視化を行うために、PIVシステムを利用して回流水槽側面からレーザーシートを照射した。本研究の新たな試みとして、回流水槽反対側にレーザー反射ミラーを設置し、この照射したレーザーシートを角度をつけて反射させ、流れ場の観測領域を約2倍に広げることに成功した。これにより、魚類のようなマイクロサイズの計測領域ではなく、スイマーを対象とした場合の流れ場の可視化でも観測領域を拡大できることが示唆された。 けり下ろし動作中に内転筋と中殿筋が活動し、単に股関節と膝の伸展動作だけでなく、そこには内転と外旋の動作が含まれていた。また、その動作中には足部に大きな圧力勾配が生じており、大きな渦の塊が形成されていた。これらの結果をまとめると、水中ドルフィンキックは、1)けり下ろし動作中に足部周りに圧力差を生じさせて渦と巻きこまれる水の流れを作り、2)けり下ろし最終局面で下肢を外旋させて足先が近づき、局所的な渦とジェットを放出させ、3)この剥がれた渦の塊が推力を反映している。本研究により、キックで泳ぐスイマーの内外で起きている現象を初めて解明した。
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